JTB中間決算は増収増益 純利益65億円、旅行売上高は1.7%増


 JTBグループの2026年3月期中間連結決算(2025年4~9月)は、売上高が前年同期比2.5%増の5311億円となった。訪日旅行、グローバル旅行が伸びるなど旅行部門で前年を上回った。旅行以外の部門も前年を超え、企業などのイベント、ビジネストラベルが計画を上回った。営業利益は同9.4%増の51億円、経常利益は同26.0%増の70億円、純利益は前年からほぼ倍増し、同95.4%増の65億円となった。

 旅行部門の売上高の合計は同1.7%増の4154億円だった。内訳は国内旅行2162億円(同2.3%減)、海外旅行1083億円(同1.4%増)、訪日旅行356億円(同20.5%増)、グローバル旅行(日本発着以外の旅行)553億円(同8.7%増)。

 MICE、受託事業、商事、出版などの旅行以外の部門の売上高の合計は、同5.4%増の1157億円だった。

 事業別のトピックスは、ツーリズム事業の法人領域では、「教育」「企業」市場で課題解決型提案が奏功し、前年実績を大きく上回った。26年3月に開催されるワールドベースボール・クラシックの公式ホスピタリティ&トラベルプログラムの企画・運営・販売権利を獲得するなど、スポーツ・エンターテイメントビジネスの強化にも取り組んだ。

 エリアソリューション事業では、観光DX領域として、アクティビティ商品の在庫、予約の一元管理が可能なJTB BOKUNが、好調なインバウンド需要を捉え、単月として流通額が最高を記録するなど利用が拡大した。エリア開発領域では、訪日外国人旅行者向けに新たなナイトタイムエンターテイメント「大阪バラエティ・アクト・ショー」を道頓堀中座で開始し、エリアの滞在時間、消費額の向上につなげた。

 ビジネスソリューション事業は、ミーティング&イベント領域で「お客さまの声」を起点とした戦略的なPDCAサイクルを実装し、受注率を高め、収益性も改善した。ビジネストラベル領域も前期実績を上回り、新システムへの移行を進めた。

 グローバル領域では、グローバルDMC事業が伸長した。欧州でアジア発の需要を取り込み、高収益を維持、事業を拡大した。シートインコーチ事業(コース組み合わせ自由のバスツアー)も、ヨーロッパムンド社がツアー数を拡大、低価格帯商品の提供を開始し、売り上げ、売り上げ総利益が前年を上回るなど好調に推移した。

 この他、ツーリズム業界最大手のB2Bメディア、米国のノーススター・トラベルnグループ社を完全子会社化した。

 また、将来の競争力強化に向けて、人材への戦略的投資(賃金改善、要員増強)や基幹システムの刷新といった取り組みを推進した。

 通期の見通しについては、計画の営業利益120億円の達成を目指している。

 
 
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