和の美意識と北欧デザインが調和 リッチモンドホテル浅草が全面リニューアル


浅草寺、東京スカイツリーが一望できる客室も

 ロイヤルホールディングス株式会社のグループ会社アールエヌティーホテルズは12月1日、全面リニューアルした「リッチモンドホテル浅草」を新たな装いでオープンした。インバウンド需要の回復を背景に、浅草の歴史や職人文化を現代の感性で再解釈した空間に生まれ変わった。

浅草の伝統と北欧テイストの融合

 リニューアルのデザインコンセプトは「Minimal Luxury(ミニマルラグジュアリー) 静寂と調和」。客室はオーク材を基調とした北欧テイストをベースに、和紙を取り入れた壁紙やアート、黒を効かせたチェアやファブリックを配置。「和」と「北欧」がバランスよく調和した上質で落ち着いた空間を演出している。

 1階ロビーには浅草の”今と昔”を重ね合わせた「OZ-尾頭-山口佳祐氏」の絵画を中心に構成。天井には浅草の灯り文化から着想した提灯格子が施されている。素材には浅草寺にも使われる小松石と黒皮風仕上げを採用し、床はモルタル風タイルで仕上げるなど、江戸の風合いと現代性が交差する浅草らしい世界観を表現した。

1階ロビー

 

客室タイプが多様化、ファミリー利用も想定

 今回のリニューアルでは、ダブルルーム2室を連結したゆとりある広さのツインルームを新設。全部で10室が追加され、ファミリーやグループでの利用に対応できるようになった。浅草リッチモンドホテル総支配人の新保氏は「もともとツインルームの数が、ユニバーサルルームを除くと9室しかございませんでしたので、レジャーやインバウンド層、ファミリー層にご利用いただける、お部屋が約倍になった」と説明する。

 客室は7階以上の高層階に位置する「プレシャス」シリーズを含め、全9タイプで構成。7階以上のプレシャスコンフォートツインからは浅草寺と五重塔、東京スカイツリーを望む特別な眺望を楽しむことができる。

 すべての客室のベッドボードにはコンセントやUSBポートを設置し利便性を向上。デスクを撤去しソファーやベンチを新設するなど、より広く快適に過ごせる工夫が施された。ベッドにはシモンズ社製のマットレスを使用し、上質な睡眠環境を整えている。

浅草寺、東京スカイツリーが一望できる客室も

 

朝食も大幅リニューアル、ライブキッチン導入

 ホテル1階のレストランは「和なごみ Café&Dining」として同時にリニューアル。朝食はビュッフェ形式で、ライブキッチンではオーダーをいただいてから調理する3種類のメニュー(抹茶パンケーキ、ラーメン、ベーコンエッグ)を提供する。

 「抹茶パンケーキにつきましては、この浅草の地だから味わえるもの、浅草らしいものが提供できないかということで、レストランの店長と試行錯誤を重ね導入になっております」と新保氏。その他にも、日替わりのデリやホットミール、漬けマグロととろろ、浅草の味として親しまれている牛すじ煮、わらび餅などの和スイーツも用意されている。

朝食会場

 

インバウンド需要を見据えた戦略的リニューアル

 ロイヤルホールディングス執行役員ホテル事業担当(アールエヌディーホテルズ代表取締役社長)の本山浩平氏は、今回のリニューアルの背景について「近年、インバウンド、そして国内レジャーの増加が特にこの浅草地区では顕著に見られているところから、やはりそういった環境の変化に我々としてもしっかり対応していくインバウンドレジャーのお客様にも満足していただける、そんなホテルに変わっていかなければいけない」と説明した。

 浅草エリアのリッチモンドホテル(リッチモンド浅草、リッチモンドホテルプレミア浅草)のインバウンド比率は約8割に達しており、稼働率はほぼ上限に近い状態という。今回のリニューアルによって、より客室単価と一室あたりの宿泊人数を高めることが期待されている。

 リッチモンドホテル浅草は2012年3月に開業。歌舞伎のクマトリ模様をモチーフにした外観デザインが特徴で、今回の内装リニューアルは約3ヶ月間の休館期間を経て実施された。

リニューアル会見をする本山社長

 
 
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