ホテル・旅館専門の総合エンジニアリング会社のタップは、宿泊・観光産業に特化した世界初の実証実験施設「タップホスピタリティラボ沖縄(=THL)」を2023年6月、沖縄県うるま市に開設した。THLには、さまざまな技術を活用した無人コンビニ、レストランに加え、合計38室の客室を設置。新技術をホテルシステム(PMS)と連携させた新たな価値創造に向けて日々実証実験に励んでいる。
11月13、14日に沖縄サントリーアリーナで開催された沖縄最大のIT・DX展示商談会「ResorTec(リゾテック)EXPO2025」では、THLをサテライト会場として使用。THL館内DX視察ツアー、各種講演会やセミナーなど75を超えるプログラムを実施した。
特別講演会「沖縄観光DXの課題と宿泊産業の未来」では航空・旅行アナリストで帝京大学講師の鳥海高太朗氏がタップの林悦男代表取締役会長と登壇。林氏は「いま宿泊業界では人手不足解消と生産性向上のためのデジタル技術導入が進んでいる。タップは、THLで培ったデジタルホスピタリティを基盤に沖縄だけでなく全国各地域の宿泊業のDX化に協力していく」と述べた。
鳥海氏は次のように話した。「高級ホテルとビジネスホテルでは異なるDX戦略を採用し、利用者ニーズに対応している。利便性という観点では、TAPシステムを導入しているアパホテルの『アパアプリ1秒チェックイン』が最強だろう。交通分野でもデジタル化が進み、カーシェアリングが沖縄で拡大している。また、観光業の持続的発展には平和と安全確保、ウェルビーイング(健康)・バリアフリー対応が重要だ」。
THL会場では、宿泊施設のDX化に向けた「中小企業省力化補助金の概要と活用方法セミナー」も行われた。

林会長(壇上左)と鳥海氏





