ふくしまDCの成功に向けて気勢を上げる内堀知事(写真中央)ら福島県の関係者
福島県は11日、首都圏発の旅行商品造成を手掛ける旅行会社に向けて「ふくしま観光商談会」を東京都内で開催した。商談会前に行われた説明会では、来年4月から6月まで実施する「ふくしまデスティネーションキャンペーン」(以下、ふくしまDC)に向けて新たな観光コンテンツを多数紹介。商談会後の交流会には福島県の内堀雅雄知事も出席し、同県への積極的な送客を要請した。
説明会の前半、同県観光交流課の山口正幸課長、日比亜州主幹が登壇。ふくしまDCや同県の観光素材をPRした。
日比氏は説明の中で、「来年は福島県が誕生して150周年、東日本大震災および原発事故から15年と、本県にとって大変重要な節目の年。風評や風化など、福島に特化した課題が山積みの中、福島の今を国内外に広く発信するとともに、各地域が持つ素晴らしい宝を実際に来て、見て、食べて、感じてもらいたい」と強調。現在は、プレDC期間中に実施した企画250件を超える企画数を目標に新たな観光コンテンツの開発に取り組んでいるとした。
新企画の一部を、「浜通り」「中通り」「会津」の3エリアに分けて説明。中でも、浜通りの富岡町に今年5月開業した「とみおかワイナリー」や、中通りの「浄土平星空観賞」、会津地方の鶴ヶ城の和船体験などを紹介した。
このほか説明会では、自転車を使った浜通りエリアの新たな観光ルート「サイクルルート」も紹介された。「海側ルート」「山側ルート」の2本が整備されており、それら周辺の観光スポットも紹介した。現在は国土交通省が制定する「ナショナルサイクルルート」に全国6ルートが指定されており、同県のルートも来年度中に指定を受けるよう環境整備を進めていると報告した。
説明会には、同県の魅力を発信する観光PR隊「HAPPYふくしま隊」も登場。同県の花、食、温泉、酒、歴史などの魅力を、6人のメンバーが紹介した。
交流会には、旅行会社の幹部をはじめ、観光庁の担当者などが出席。県関係者を含めて約320人が参加した。
内堀知事は冒頭のあいさつで、「来年のDC本番に向けて、われわれは受け入れ態勢を強化して、また福島県内の観光資源をもっと磨き上げるということで、オール福島で取り組んでいく」と意気込みを語った。ふくしまDCのキャッチコピー「しあわせの風ふくしま」を紹介し、「まさに幸せの風を福島から全国に、また海外から来られるお客さまにもしっかり届かせていきたい。そのためには、今日この会場に来ていただいている皆さんのお力が絶対に必要だ」と県への送客を要請した。
【江口英一、水田寛人】

ふくしまDCの成功に向けて気勢を上げる内堀知事(写真中央)ら福島県の関係者




