【旅館はもっと良くなるべきだ 旅館経営 タテ・ヨコ・ナナメ 225】採用対策⑯ 佐野洋一


 外国人労働者の雇用に関する制度を概観している。前回は「特定技能1号・2号」について述べたが、続いて、これとも制度上で連係性のある「育成就労」についてみていきたい。

 (22)育成就労

 従来、「技能実習」制度というものが行われてきたが、これには転籍の制限や待遇、人権に関わる問題などがあったことから、これを是正するかたちで、「人材育成と人材確保」の両面を目的とした「育成就労」という制度に移行することとなった。すでに2024年6月に改正法が成立しており、27年4月から施行される予定である。

 在留期間は3年(最長1年の延長が可能)。制度の目的の一つに、「特定技能1号水準の技能を有する人材を育成する」ということがあり、在留する3年の間に、試験制度を通じて特定技能1号へ移行するルートが組み込まれている(試験の不合格者には、再受験のためさらに最長1年の在留継続が認められる)。また「技能実習」では認められていなかった「転籍」が、一定の条件を満たせば可能となった。これは事業者側でも留意しておくべき点だ。

 育成就労外国人の送り出し・受け入れに関する枠組みは、技能実習と大きくは変わらない。一般的には、外国政府が認定する「送出機関」から、主務大臣によって許可された「監理支援機関」(従来の「監理団体」に近いもの)に外国人の求職申し込みが取り次がれ、そこから「受け入れ機関(事業者)」へのあっせんが行われることになる。また「監理支援機関」が関わらない「単独型育成就労」という形態もある。受け入れ側には、仕事内容、教育内容、生活支援などの実施計画を事前に提出して、認可を受けることが求められる。

 ちなみに、「技能実習」もまだ継続されており、新法の施行日までに入国して技能実習を行っている場合、もしくは技能実習計画の認定申請が済んでいる場合はそのまま認められる。

 (リョケン代表取締役社長) 

 
 
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