京阪電車
公益社団法人のびわ湖大津観光協会(滋賀県大津市)はこのほど、京阪電車の「石山坂本線」を活用した教育旅行向けの乗車券を発売した。貸し切りバスの運転者不足や料金高騰の中、公共交通の利用を通じて、環境にやさしく、地域とつながる持続可能な教育旅行の実現を目指す。
「びわ湖大津教育旅行用京阪電車1日券」は中・高校の修学旅行、郊外学習(団体利用、クラブ活動は除く)が対象で、価格は税込み600円。来年3月31日まで発売する。申し込み窓口は同協会で、学校または旅行会社を通じた事前申し込み制としている。
乗車券発売に際して、市内の文化、体験、飲食、土産など約40施設が協力。専用マップと乗車券を提示するとさまざまな特典が受けられ、例えば石山寺は入山料600円が350円、ミシガンクルーズでは25%割引となる。
また、石山坂本線を利用すると、石山寺や三井寺、坂本の門前町では歴史文化を、琵琶湖や疏水の周辺ではまちづくり、地域の暮らしをテーマにした探究活動ができるほか、乗り換え不要なため、石山寺から坂本比叡山口駅まで約30分で結ばれ、主要エリアを短時間で巡れる。「移動時間を抑えることで体験や学びの時間を充実させられる」という。
コースの一つ、びわ湖浜大津駅発着の「石山寺・坂本エリア周遊モデル」(9~16時)の場合、通常費用(交通費、拝観料)は2170円だが、乗車券利用では1480円ですむ。
協会によると、教育旅行における班別自主研修は、公共交通機関やタクシーを利用して各地を巡るスタイルが一般的。大津市は京都駅から10分圏内にあり、比叡山延暦寺や石山寺、三井寺など多彩な教育資源が凝縮している。
同協会は、「石山坂本線を軸に、市内を巡る教育旅行モデルを構築、併せて公共交通を活用した環境にやさしい移動手段の推進という観点からも、次世代にふさわしい学びの形を提案したい」と話している。

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