7月に入り、全国的に猛暑日が続いている。東京都心では今季初の37度超を記録し、暑さは一段と深刻さを増している。こうした中で高まっているのが、「避暑」へのニーズだ。観光業界にとって今、求められているのは“涼”を切り口にした的確な仕掛けである。
JR東日本が展開する「#ひしょたび」は、暑さを避けて過ごせる旅先を紹介するプロモーション。長野、山形、岩手など都市部より気温の低いエリアを中心に、自然豊かな風景や涼を感じるアクティビティを発信している。割引や特典ではなく、「涼しさ」という体感的な価値で旅の動機をつくっている点が特徴だ。気温差を明確に示すグラフィックやコピー展開も、ユーザーに強い印象を残している。
OTAでも、“涼”をテーマにした打ち出しが重要になる。検索時の第一印象を左右するのがプラン名やキャッチコピーだ。
「都会よりマイナス5度の高原ステイ」「ひんやりスイーツ付き納涼プラン」など、涼を直感的に想起させる表現は訴求力が高い。
館内での「涼」体験の工夫も重要なPR要素だ。冷感アロマを使ったロビー演出、浴衣で過ごす納涼ナイト、かき氷や夏野菜を使った“涼”グルメ”、風鈴やせせらぎ音による空間演出など、暑さを忘れさせる細やかな取り組みは、OTAやSNSでの発信において高い反応が見込める。現地での写真や動画を活用し、宿泊前から期待感を高める仕掛けが鍵となる。
価格面では、夏の旅行需要に合わせた期間限定のクーポン配布や、ポイントアップキャンペーンの活用も効果的だ。ただし、単なる割引にとどまらず、「涼」をテーマに一貫したストーリーを持たせることで、訴求力が高まる。
たとえば「避暑旅応援クーポン」「夕涼みステイ限定ポイント2倍」など、季節感あるネーミングが効果的だ。
また、WEB上では「避暑」「納涼」「涼しい旅」といった季節ワードの検索が伸びる時期。自社サイトや予約ページでは、特設ページや気温差の可視化などを活用し、「暑いからこそ行きたい」と思わせる理由を丁寧に設計したい。
猛暑を逆手に取る戦略が、この夏の集客成果を左右する。
(株式会社プライムコンセプト 小林義道)=隔週掲載




