蒲郡クラシックホテル(愛知県蒲郡市、統括総支配人:安川貴也)は11月11日、創業90周年記念事業の一環として6月にグランドオープンした茶室付き宿泊施設『茶寮鶯宿亭』の2期工事が完了したと発表した。東の庭に三河湾の”さざ波”をイメージしたデザインの竹デッキと竹塀が新たに設置された。
大正時代の茶室を現代的に改装
『茶寮鶯宿亭』は1916年(大正5年)に建築された登録有形文化財で、かつては旅館「常磐館」の離れ茶室として使用されていた。”茶の心で寛ぐ、贅沢な静寂の時間”をテーマに、建物の歴史的な情緒と意匠を活かしながら現代の快適性を融合させた宿泊施設だ。
今回完成した「東の庭」の竹デッキと竹塀は、隣接する竹島の波をモチーフにしている。竹塀は「円弧の描く稜線にすることで既存の裏の稜線が美しく見える」デザインを採用。竹デッキは「竹島のさざ波がお宿に届き優雅な気持ちにさせてくれる眺め」を創出している。
歴史と快適性を両立
鶯宿亭の改装にあたっては、木造平屋建ての数寄屋風建築の特徴を残しつつ、ガラス窓の導入や設備更新を実施。茶室空間、待合、寝室、温泉・サウナ、パウダールームなどを備えた空間構成となっている。建物外観には鶯色の瓦屋根や数寄屋造の美しい意匠を残し、歴史的景観を保全した。
客室は「現代の感覚を取り入れた意匠の中に、数寄屋風書院造の趣を残した落ち着いた寝室」になっており、大きな窓からは竹島・三河湾の眺望を楽しめる。温泉は無色透明のアルカリ性単純泉で、”美白泉”とも呼ばれる肌触りしなやかな湯を採用。ロウリュサウナや外気浴スペースも整備されている。

多彩な食事オプション
夕食は蒲郡クラシックホテルのメインダイニングルーム(フランス料理フルコース)または六角堂(鉄板焼き)で提供。部屋食希望者には特別なお弁当スタイルも用意されている。朝食はホテルのシェフによる特別メニューだ。
蒲郡クラシックホテルは1934年(昭和9年)に「蒲郡ホテル」として開業。2024年に建築完成から90周年を迎えた。2006年に近代化産業遺産に認定され、2022年2月にはホテル本館が国の登録有形文化財に登録された。現在は本館27室に加え、THE COVEと茶寮鶯宿亭を合わせて29室を有する。





