【体験型観光が日本を変える401】物価高対策は観光にも影響 藤澤安良


 G7サミットがカナダで開催され、G7の合意形成以外にも米国との関税問題解決のため、会談や交渉の機会を持てるとの思惑があり、加盟国の首脳が巨費を投じて参加した。それにも関わらず、米国のトランプ大統領が早退し、米国がいない中での共同声明は骨抜きのようなものとなり、関税の問題もその場での合意はなかった。

 早々と帰国した米国がイランの核関連施設3カ所を爆撃したとの報道があった。

 ベトナムやアフガニスタン、あるいはイラン・イラク戦争のような米国が参戦し長期に及ぶような大きな戦争にならないこと、これまでも報復合戦が繰り広げられており、イランの出方も気がかりである。

 また、素人考えでは放射能汚染の心配をしてしまうが、人命に影響が及ばないことを願うばかりである。さらには、過去にあったように、ペルシャ湾やホルムズ海峡封鎖などに至れば原油価格の高騰だけでは済まされず、原油が日本に届かなくなる恐れもある。

 双方の国と良好な関係性が保たれ、唯一の被爆国日本が平和に向けた国際的な役割を担わなければならない。しかし、政府はそれどころではないのかもしれない。国内では東京都議会選挙が行われた。

 投票率は50%未満と政治への関心の低さが投票率にも現れている。働き盛りの若者が多い東京では、思想・主義より、いわゆる現役世代に手厚い政策を掲げた党が議席を取ったと考えられる。小池都知事が率いる都民ファーストが圧勝し第1党となった。

 東京と地方は人口的にも財源においても格段の差があり、その政策も結果も比較するのは無理がある。しかし、続いて7月に行われる参院選挙は経済や物価高対策に力点を置き、国民が何を求めているのかを考え抜いた党が票を集めそうだ。

 与党は2030年度に賃金約100万円増を目指すとした公約を発表した。目指すだけなら誰でも言える。その道筋の方程式や根拠を明白に示さなければ、絵空事として誰も信用しないであろう。

 また、野党を含め給付金の配布方法や金額で論争するような目先の話ではなく、中長期的な国家の将来にわたっての展望を、公約や政策にしてほしいものである。物価高騰以上の所得向上がなければ、観光振興も地方の活性化も図れない。

 私の事務所は羽田空港近くにあり、成田空港寄りに自宅があるが、その間のアクセス特急はいつも、大きいスーツケースと多国籍の外国人でいっぱいで、その数は日本人より多い。

 それらの光景を見るにつれ、国際航空運賃や宿泊費が高くなりつつある中、欧米以外のアジア諸国からの訪日外国人も増えており、日本人の海外旅行が伸び悩む中にあって、発展途上と思っていたそれらの国に、経済力、国民の所得や豊かさについても追いつかれたり、追い越されかけているのではと思う。

 観光は国民の豊かさの象徴である。国の政策によって未来の日本の明暗が分かれることになる。来る7月の参院選の公約や候補者の言動に注目しなければならない。そして投票を!

 
 
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