【旅館ホテルのおもてなし 99】旅館ホテルのこれからの役割⑥ 大谷 晃


 ●より具体的に伝える
 「高台にあるため見晴らしが良く、海岸にも歩いて行けます。お部屋で着替えて、そのまま海に、お帰りも砂のついたままで」

 海で遊ぶのを目的に宿泊するお客さまにとっては、選ぶ際のうれしい判断材料になります。

 「当館の『源泉かけ流し』は、『かけ流し』よりさらに自然な状態で楽しめる温泉です。加水も加温もなしの、文字通り自然のままの温泉です」とあれば、「源泉かけ流し」に入ってみたいと人は思うのではないでしょうか。単なる「源泉かけ流し」と表記するだけでは何のことかわからなくても、これだと「かけ流し」との違いがわかる上、魅力まで伝わってきます。

 「裏の〇〇山から湧き出る水は絶品です。ぜひ、当館で味わってください」と、書き添えるだけで、お客さまは心を動かされるでしょう。

 従来のホームページは、自館の施設、料理をアピールするうたい文句が並ぶだけのところが多く、それでは他館との差別化が図れません。おいしい水やもぎたてのトマトを味わえるだけでも、都会の人の心は動きます。それをぜひ生かしましょう。お客さまに聞かれる前に、ホームページやSNSに情報を発信することが重要です。

 また、自館にまつわる話題も伝えます。例えば、文人に愛され、文豪がお泊まりになられた部屋がこちら、作曲家や作詞家がお泊まりになったこの部屋であの名曲が生まれた、あるいは人気ドラマの舞台やロケ現場になったなど、どれもお客さまの興味を引くに違いありません。他館と区別できるアピールポイントになるものばかりです。その際、自身の言葉でストーリーを作ってお伝えしましょう。

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 ■日本ホテルレストラン経営研究所=ホスピタリティ業界(旅館、ホテル、レストラン、ブライダル、観光、介護)の人材育成と国際交流へ貢献することを目的とするNPO法人。同研究所の大谷晃理事長、鈴木はるみ上席研究員が監修する書籍「『旅館ホテル』のおもてなし」が星雲社から発売中。問い合わせは同社TEL03(3868)3275。      
      

 
 
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