依田香乃子さん
日本文化の旅館で働けることがうれしい
――この業界を志望した動機を教えてください。
「今年が入社5年目になります。大学は三島にある日本大学の国際関係学部でしたが、4年間居酒屋やレストランなどサービス業でアルバイトをしており、その流れで就職もサービス業がいいかなと、ふんわりとした感じでした」
「就活中はホテルと旅館の両方を検討しましたが、小・中・高と剣道をやっていたこともあり、和の文化が好きだったので旅館を選びました」
「海を見るのが好きなので、海の近くで働ける旅館を探していました。今の会社の説明会に参加した際、社長や先輩社員の方々がとても親身になって話を聞いてくれたことや、私は物事を覚えるのがあまり上手ではないのですが、メンター制度があり、自分のペースに合わせて先輩が1対1で仕事を指導してくれることにも魅力を感じました」
「会社のホームページにこのメンター制度や、社員旅行のことが載っていて、社員の皆さんの仲の良さが伝わったことも決め手になりました」
――現在、どんな業務を担当していますか。
「入社後3年間は仲居部で働き、4年目からフロントに異動しました。現在はお客さまの出迎え、対応、予約の処理や確認などを担当しています」
――仕事の中で大切にしていることは。
「お客さまとの会話の中で、小さなことを覚えておくことを心掛けています。例えば、お子さまが好きなキャラクターの話を後で調べて、次にお会いした時に話題にしたり、観光地を探しているお客さまがいれば声をかけて、パンフレットがなくても自分でパソコンで調べて情報提供するようにしています」
――今も思い出に残るエピソードがあれば。
「入社1年目に担当した年配のご夫婦が、半年に1回くらい私を指名で来てくださるようになったことです。カメラが趣味のお客さまで、撮影した花火の写真を現像して持ってきてくださったり、折り紙を持ってきてくださったり。自分の名前を覚えてもらい、また指名してもらえたことがとてもうれしかったです」
「フロントに異動してからも、以前仲居部で担当したお客さまが2年ぶりに来られた時に、前回の会話のメモを引っ張り出して『前回帰り、あそこ行ったんですよね、どうでしたか』と話しかけると、『え、なんで覚えているの』と驚かれたりして。そんな小さなコミュニケーションができることも楽しいですね」
――旅館業界で働くことの魅力について、どのように感じていますか。
「全国いろいろなところからお客さまがいらっしゃいます。最近はインバウンドのお客さまも増えて、自分が行ったことのない国や地域の方々からいろんな話が聞けるのが楽しいです」
「大学が国際関係学部だったこともあり、海外に興味があります。台湾からのお客さまに『修学旅行で行ってきました』などと話をすると、お客さまからも現地のさまざまな情報を聞けて、今後の自分の旅行にも生かせます」
――この業界はどんな人に勧められますか。また、どんな人と一緒に働きたいですか。
「人と接する、お話をすることが好きな方に旅館業界はおすすめです。特に仲居の仕事はお部屋でお客さまと接する時間が長く、いろんな会話ができます。自分の聞きたいことを聞いたり、話したいことを話したりできるウィンウィンな関係が魅力です」
「秀花園で働いて感じるのは、個性豊かな社員がたくさんいて、みんながお客さまに対して全力で対応しているところです。見ていて『私も頑張らなければ』という気持ちになります。お客さまに全力で向き合う方たちと切磋琢磨したいです」
――今後の目標について教えてください。
「まだフロントに来て2年目で、業務の基本的なことは覚えたのですが、何かあった時にすぐ対処ができないこともあります。1人でしっかりと業務をこなせるようになり、後輩に教えられる先輩になることが今の目標です」
――プライベートでの過ごし方を教えてください。
「休日は映画を見ることが多いです。ネットフリックスやアマゾンプライムで映画を観たり、上映中の作品があれば映画館に行ったりします。最近見た中では『F1』というブラッド・ピット主演の映画が良かったです」
「昨年の年末に中型バイクの免許を取得したので、バイクを購入して乗りたいと思っています。車を見るのも好きで、富士スピードウェイにスーパーフォーミュラを見に行こうかと考えています。会社の福利厚生で社用車を利用できるので、それでドライブに行くこともあります」
――旅館業界を目指す若い人たちへメッセージを。
「日本の文化である旅館で働けることは日本人としてうれしく、誇りに思います。日本の良さを海外の方にも日本の方にも、いろんな方に伝えていける、そんな仕事をぜひ、皆さんと一緒にできればと思います」
【聞き手・森田淳】

依田香乃子さん
◇観光業界で活躍する35歳以下の若手人材に焦点を当てた新インタビュー企画です。仕事の魅力ややりがい、キャリアの向き合い方など、リアルな声を随時掲載します。




