年末業績押上げに、ホテル活用の隠れ収益ハック


主要ホテルグループの最近の報告によると、経済的不確実性の中で業績の低下が目立っている。観光に依存する施設では、予約の減少、不安定な天候、旅行者の減少が見られる。しかし、こうした課題の中でひそかに勢いを増している収益源がある――それがギフトカードと体験型バウチャーである。

これらのプリペイド型商品は、ホテルにとって戦略的なツールとなっており、多くのホテルがその効果を慎重に隠してきた。世界のギフトカード市場は2029年までに1.3兆ドルに達すると予測されており、その潜在力は明らかだ。昨年、ある高級ホテルはホリデーシーズンのわずか2か月間で、ギフトカードの販売により7桁の収益を上げた。

 

プリペイド購入が利益を生む Pre-paid purchases to profit

宿泊予約とは異なり、ギフトカードは即座にキャッシュフローを生み出す。サービス提供前に運転資金を確保できるのだ。ホスピタリティテック企業の Hospitality Solutions によると、ギフトカード1件あたりの平均注文額は613ドルに達するという。

また、ギフトカードには「ブレイケージ(未使用分)」という効果もある。多くのカードが完全には利用されず、追加の人件費やコストを伴わずに利益率を押し上げる。推定によれば、およそ47%のギフトカードが未使用のままであり、平均額244ドルを考慮すると、約230億ドルの潜在的収益となる。

さらに、利用された場合でも追加消費を促す効果がある。Capital One Shopping の調査によると、61%の消費者がギフトカードの金額を超えて支出しているという。

 

体験がエンゲージメントを生む Experiences drive engagement

現代の「体験経済」において、92%の消費者がモノよりも体験を贈りたいと考えている。金額指定のギフトカードは、受け取る側が自分の体験を選べるというパーソナライゼーションの要素を加える。

ホテルはこのトレンドを活かし、スパリトリートメント、グルメダイニング、ウェルネスプログラムなど、既存のサービスを組み合わせたパッケージを提供できる。新しいサービスを作ることなく、既存の提供内容を収益化し、カジュアルなギフト購入者を有料ゲストに、初来訪者をロイヤル顧客へと変えることが可能だ。

ギフトカードは消費者のウィッシュリスト上位の常連であり、2人に1人が欲しいと答えている。Mother’s Day、Valentine’s Day、そして12月のホリデーシーズンには需要が特に高まる。

さらに、企業向けギフトも大きな機会を生む。企業は社員や顧客への報酬としてギフトカードをまとめて購入し、繁忙期以外の販売を支えている。実際、Hospitality Solutions によると、ギフトカード注文の23%が法人販売によるもので、ホリデーシーズンに先立つ8月頃から注文が増え始めるという。

 

季節性と戦略の融合 Seasonality meets strategy

タイミングの良いキャンペーンは大きな成果を生む。ある高級ホテルは2024年12月初旬にオンラインと館内でのオムニチャネル販促を開始し、その結果、1か月で10万ドルを超える売上を記録した。

別のホテルでは、2024年のギフトカード収益の50%以上が12月のホリデーシーズンに集中しており、このチャネルの季節的潜在力を示している。

Hospitality Solutions のデータもこれを裏付けており、年間ギフトカード販売の40%以上が11月と12月に発生している。特にホリデー期の購買意欲は顕著で、12月24日から26日のわずか48時間で約20%の売上が発生している。

 

ホリデー期の効果を延長する Extending the holiday boost

ギフトカードはホリデーシーズンの収益を押し上げるだけでなく、翌年以降にも収益をもたらす。利用(リデンプション)は第1四半期まで続くことが多く、ホテルに年初の財務的後押しを与える。実際、ギフトカードの56%が購入から180日以内に利用されている。

さらに、ギフトカード利用者の64%は初来訪者であり、その多くがリピーターとなる。これにより客足が増え、アップセルの機会が生まれる。

一部のホテルは、購入者と受取人の双方にボーナスクレジットを提供するプロモーションでこの効果を強化している。たとえば「500ドル購入で50ドル分のギフトカード進呈」といったものだ。こうしたプログラムはリピートビジネスを促進し、再訪を奨励し、ロイヤルティを強化する――つまり、ホリデーシーズンを過ぎても収益の流れを維持できるのだ。

 

賢いレベニューマネージャーの秘密 The secret of smart revenue managers

予約に依存するだけではもはや十分ではない。ギフトカードは高利益率で低コストなツールであり、ホテルの収益戦略を一変させる力を持つ。

今、堅実なギフトカードプログラムに投資するホテルは、ホリデー需要を取り込み、増分収益を生み出し、12月以降も続く長期的なゲスト関係を築くことができる。

早期に計画を立て、マーケティングキャンペーン、分析、インサイトと組み合わせることで、ギフトカードは年末業績を押し上げ、一年を通じて安定した追加収益を生み出すことができる。

年間を通じて収益を最大化し、ギフト需要を活用したいホテルには、Hospitality Solutions’ Gift Cards & Vouchers が、デジタルおよび物理ギフトカードを複数チャネルで展開・販売するためのエンドツーエンドソリューションを提供する。

 

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ホリデー需要を取り込み、Hospitality Solutions’ Gift Cards & Vouchers がどのようにしてホテルの季節需要を捉え、高利益販売を促進できるかを発見してください。

(10/23 https://www.phocuswire.com/hospitality-solutions-hidden-revenue-hack-hotels-using-end-year-strong?utm_source=newsletter&utm_medium=email&utm_campaign=pcww_daily&pk=pcww_email_newsletter_pcww-daily&oly_enc_id=9229H9640090J9N )

【出典:Phocuswire   翻訳記事提供:​業界研究 世界の旅行産業

 
 
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