ヒルトン東京 フィリックス・ブッシュ総支配人
ヒルトン東京(東京都新宿区、フィリックス・ブッシュ総支配人)は、MICE強化に向けた宴会場の大改装を実施した。同ホテルでは、コロナ禍以降、ウェディング需要が減少。新たな収益源としてMICE市場に徹底シフトした。10月31日、4階大宴会場「菊」の大規模改修が完了したのに伴い、インセンティブイベント・パ―ティなどMICEを行っている外資系企業、日本企業、旅行会社などの取引先250社を招き、披露パーティを行った。
数億円規模の投資で最先端MICE施設へ
ヒルトン東京は2024年10月、3階宴会場フロアの全面改装を完了した。数億円規模の投資による大規模改装の第一弾で、1,000㎡の面積を有する3階宴会場フロアを全面改装し、約200㎡のスペースを増設した。
改装後の3階フロアには、4つの宴会場、5つの会議室、プレファンクションルームに加え、ブレイクアウトエリア3か所とレクチャーホールを備えた。柔軟性、機能性、利便性に重点を置いた空間設計で、スクール形式、シアター形式、正餐形式など様々なレイアウトに対応可能だ。



新宿の伝統と最先端テクノロジーの融合
インテリアデザインは世界的に受賞歴を誇るデザイン・建築事務所HBA(ハーシュ・ベドナー・アソシエイツ)が手掛けた。新宿の伝統産業であった活版印刷や藍染めの歴史に着想を得たデザインが特徴だ。
新宿の伝統色である「茶色」「紺色」「藍色」を基調とし、差し色として「黄金色」を用いることで、かつて角筈と呼ばれていた新宿一帯にあった武家屋敷や町家を想起させる空間を実現した。

4階大宴会場「菊」も全面リニューアル
2025年10月には、改装の第二弾として4階の大宴会場「菊の間」および隣接するプレファンクションスペース(総面積1,422㎡)の大規模改装が完了した。
天井高5メートル、最大1,000名を収容できる「菊の間」は、4分割構成(菊1〜4)を維持しつつ、各セクションの機能性と柔軟性を向上させた。菊1〜3(合計774㎡)はシアタースタイルで最大800名、正餐形式で最大450名に対応。菊4は158㎡(天井高2.6m)で、シアタースタイルで最大150名、正餐形式で最大90名まで収容可能だ。
国内ホテル最大級のLEDウォールを新設

ヒルトン東京 フィリックス・ブッシュ総支配人と菊の間LEDウォール
最大の特徴は、菊1に新設された国内ホテルの宴会場としては最大級となる湾曲型Barco製LEDウォール(15m×3m)だ。さらに菊3にもLEDスクリーンを導入し、2面の映像演出を活用したダイナミックなイベント展開が可能となった。
音響・映像システムの設計・導入は専門企業Vega Projectが担当。同社マネージングディレクターのリチャード・ジョンズ氏は「Vegaは、ヒルトン東京と再び協力し、同ホテルを一流のイベント会場としてさらに際立たせる次世代のAVソリューションを導入できたことを誇りに思います」とコメントした。
新システムでは165台のスピーカーをネットワークで接続し、スマートな音声ルーティングと直感的なタッチパネル操作を組み合わせることで、イベントの内容に応じた柔軟な音響調整が可能になった。
「国内トップMICEホテル」としての地位確立へ
ブッシュ総支配人は「ヒルトン東京は、世界展開を続けるホテルチェーン、ヒルトン・ホテルズ&リゾーツのホテルの一つとして日本で60年以上にわたる歴史を有しており、このたび、会議・イベント施設に多額の投資を行い、改装に着手できることを大変嬉しく思います」と述べ、「この取り組みにより、最先端の設備、地域に根ざしたデザイン、革新的なテクノロジーを備えた空間で、国内外のお客様に感動をお届けしながら、日本におけるMICEのトップホテルとしての地位を維持してまいります」と意気込みを語った。
ヒルトン東京は2024年と2025年に米国Cvent社が選出する「アジア太平洋地域のトップ50 Meetingホテル」に選出されるなど、すでにMICE分野で高い評価を得ている。さらに最大3,500名規模の外部ケータリングにも対応可能な体制を整えるなど、多様なニーズに応えるイベント運営を実現している。




