【交通トレンド分析308】羽田空港の駐車場、全てのターミナルで同一料金に 鳥海高太朗


鳥海氏

 羽田空港の各ターミナルに隣接する駐車場は、今年の夏から順次値上げを実施しており、すでに国内線が中心の第1ターミナルと第2ターミナルに隣接する四つの駐車場(P1、P2、P3、P4)は、8月に従来の24時間最大1530円が2800円に、多客期については従来の2140円から3400円へ値上げしていたが、国際線中心の第3ターミナルに隣接する「P5」についても、10月24日から従来の2140円(P5は時期による料金の違いはこれまでなかった)から、24時間最大料金を通常期は2800円、多客期は3400円とした。

 これで第1ターミナル、第2ターミナル、第3ターミナルに隣接する全ての駐車場が同一料金になった。

 今年の夏前までは、第1ターミナルと第2ターミナルの駐車場の上限が1日あたり1530円、第3ターミナルでも1日あたり2140円で、日本の他の主要空港から考えてもかなりの割安料金ではあった。特にコロナ禍に入って以降、人との接触を避ける意味で、空港まで自家用車で訪れる人も増えた。

 コロナ前からも繁忙期や週末を中心に、朝7時台で満車になることも珍しくなかったが、最近では朝6時過ぎに満車になるなど、駐車したいのに駐車ができないという状況が続いていた。

 値上げには複数の要因があると考えられるが、鉄道やバスなどに一定数シフトすることで、満車になるタイミングを遅らせる狙いはあっただろう。実際に先行して値上げをした第1ターミナル、第2ターミナルに隣接する駐車場については、大きく駐車台数が減ったわけではないが、多少満車になる時間が遅くなるなど、一定の効果は出ている。

 やはり24時間あたりの上限が2800円(通常期)となると、日帰りや1泊はともかく、2泊以上利用する人にとっては駐車料金が大きくアップすることで(なお72時間以上については、24時間あたりの上限は通常期で2千円、多客期で2400円となる)、鉄道やバスなどの利用に変更した人も一定数いるようだ。

 国際線が中心の第3ターミナルの「P5」については、夏休み期間中も値上げが行われず、特に新たな値上げに関する発表もなかったが、9月24日に発表があり、今回10月24日からの値上げとなった。多くの人が早い段階で値上げをするだろうと思っていたが、これで羽田空港のどの駐車場でも料金が横並びとなった。

 これから秋の行楽シーズン、そして冬休みや年末年始などで羽田空港を利用する人も多いと思うが、まだまだ混雑する日もあるので、最新の駐車場、混雑状況をホームページ上で確認してから向かうことをおすすめする。

(航空・旅行アナリスト、帝京大学非常勤講師)

 
 
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