京王電鉄は10月27日、「日本一安全でサービスの良い持続可能な交通」の実現に向けて、新型通勤車両「2000系」のプレス向け取材会を開催した。同社初となる大型フリースペース「ひだまりスペース」を設置した新型車両は、2026年1月31日から京王線内での営業運転を開始する。
3児の母・藤本が子育て世代の悩みを代弁
取材会に登壇した3児の母でタレントの藤本美貴は、子育て世代が電車で抱える悩みを赤裸々に語った。
「よく『混んでる時間に乗るなよ』と言われますが、その時間に乗らなきゃいけない理由があるので」と、冷たい視線を向けられる経験について苦笑いを浮かべた。
藤本は子どもたちと電車に乗る際の苦労として、荷物の持ち運びも挙げた。「子どもを抱っこして、子どもの荷物もある中で『ベビーカーに子どもが乗ってないんだったらたためよ』みたいな声もあると思うのですが、ベビーカーは子どもを乗せるだけじゃなく、荷物を乗せるためにも使っています」と説明した。
また、電車の中で子どもの成長を感じる瞬間として「動画などを見なくてもじっと座っていられるとき」と述懐。「子どもはとにかくじっとさせておくのが大変。長い移動だとウロウロしたり、何かを触ったりしたくなるので、じっとしているのを見ると『成長したな』とすごく思います」と会場をほっこりとさせた。

「ひだまりスペース」に期待
京王電鉄の新型車両の特徴である大型フリースペース「ひだまりスペース」について藤本は「電車ではベビーカーを畳まなきゃいけないのかなと思いますが、堂々と、畳まずに乗れそうなくらいスペースが広く、いろんな方が気持ちよく使えそう」と評価した。
また「電車の中は優しい人のほうが多い」と強調。「子どもが泣いてグズグズしていたとき、気を紛らわせてくれる人に出会ったりすると、電車って本当に素敵な場所だなと感じます」と、温かい体験も披露した。
イベント後の囲み取材では「好きなだけ休めるとしたら何がしたいですか?」との質問に、「まず一週間くらいは家にいて、家を片付けたいです。それから次の一週間は子どもたちと出かけたいですね。あ、庄司さんも忘れちゃいけないですね(笑)」と笑顔で答えた。

感性AIを活用した車両デザイン
新型通勤車両「2000系」は「もっと、安全に、そして安心して、これからもずっと、のっていただける車両を。すべての世代に、やさしく、そして、ワクワクしてもらえる車両を」というコンセプトのもと開発された。
京王電鉄の井上晋一取締役常務執行役員は「この車両は、安全、安心、やさしい、ワクワクというキーワードをもとに開発した」と説明。車両デザインは京王グループの感性AI株式会社が提供する分析ツール「感性AIアナリティクス」を活用して決定した点が特徴だ。
また、第三世代となる新型のVVVFインバータ制御装置を搭載し、未装備車と比較して約70%の消費電力を削減した省エネ車両となっている。
京王電鉄車両電気部の佐々木昌車両企画担当課長は、デザイン決定プロセスについて「決定もAIにさせるのではなく、コンセプトに沿うようなものはどれか参考にし、最終的には人の目で判断して決定しました」と語った。





