エア・カンボジア、成田〜プノンペン線を開設 東京支店長 ケビン・リー氏


エア・カンボジア 東京支店⾧ ケビン・リー氏

「3カ国を結ぶ架け橋に」東京支店長がインタビュー

 エア・カンボジアは10月26日、東京成田とカンボジアのプノンペンを結ぶ新路線を週3便で開設した。この路線は中国の福州を経由し、中国、カンボジア、日本の3カ国を結ぶ特殊な航路となる。これに先立つ10月15日に行われたグループインタビューで、同社の東京支店長ケビン・リー氏は「この重要な架け橋となる航路が、3カ国の間でさらなる強いつながりを持たせることが可能だ」と述べた。日本とカンボジア間の経済交流促進や観光客増加への期待を示した。

エア・カンボジア 東京支店⾧ ケビン・リー氏

 

1956年創業の国営航空が日本に初進出

 エア・カンボジアは1956年に国営航空会社として創設され、当初はロイヤルエアカンボジアやカンボジア・アンコールエアとして知られていた。2025年1月に現社名に変更した。現在の株主はカンボジア王国政府、河南航空港投資グループ(中国の国有企業)、ベトナム航空で、取締役会長はカンボジア民間航空大臣が兼任している。

 リー氏によると、10月26日に開設される成田〜プノンペン線は水曜・金曜・日曜の週3便で運航される。成田発は20時、プノンペン着は翌日2時55分。プノンペン発は9時40分、成田着は19時となる。途中の福州で約1時間の滞在があるが、乗り換えは不要で同一機材での運航となる。

 リー氏は「この路線が特徴的なのは、中国、カンボジア、日本の3カ国を結ぶことだ。このように3カ国を経由することはまだ前例が極めて少ない」と述べた。使用機材はA320型機でビジネスクラス8席、エコノミークラス162席の構成となる。運賃は片道3万円台、往復6万円台からと競争力のある価格設定という。

調査によれば日本からの観光客は21万人

 リー氏は「2019年の調査では、カンボジアを訪問した日本の観光客はおよそ21万人だった」と説明。また、日本在住のカンボジア国民は約3万人で、毎年20%ほど増加していると述べた。

 「カンボジアにとって日本は重要な国だ。日本はカンボジアに対する投資でランキングの5位に入っており、貿易パートナーとしても、毎年カンボジアを訪れる観光客の数でも5位以内に入っている」とリー氏は強調した。

 新路線の利用者としては「ビジネス、観光、親族訪問などが考えられる。おそらくそれぞれ3分の1ずつで全体の構成になるのではないか」と見込んでいる。

新空港は9月に開業したばかり

 プノンペンでは9月9日に新しいテチョ国際空港が開業したばかり。リー氏は「この空港は非常に高い基準で設計され建設されている。世界最大級のA380も対応可能だ」と説明した。

 ただし周辺のインフラ整備はまだ途上だという。「周辺のホテルなども含めて商業施設などはまだこれから建設される予定だ」とリー氏。空港から市街地までは車で30〜40分程度で、タクシー料金は約20ドルという。

将来は直行便も計画

 現在のA320/A321型機では東京〜プノンペン間の直行便運航は難しいという。そのためエア・カンボジアは2029年に737MAX機を2機導入し、東京〜プノンペン間の直行便運航を計画している。

 リー氏は「搭乗客の見込みとしては十分直行便でも足りるレベルにはなっているが、現在の機材の性能では直行はハードルが高い」と説明。今後4年間の間に乗客数がさらに増えると見込んでいる。

 また今後の路線拡大について「優先順位を付けており、関東と関西の経済圏を中心に、まずは東京と大阪が優先順位が高い」と述べた。次の候補として福岡も検討されているという。

日本語対応スタッフを配置

 サービス面では、客室乗務員に日本語が話せるスタッフを配置する予定。「カンボジア空港は仏教の伝統を重んじる国。乗務員も穏やかで優しさを感じていただけるような、カンボジアの宗教観を空の上でも体験していただけるサービスを提供したい」とリー氏は述べた。

 エア・カンボジアでは就航1年後の目標として搭乗率85%以上を掲げている。10月3日には旅行会社向けのセミナーも開催し、今後はパッケージツアーの造成なども進めていく予定だという。

 エア・カンボジアは2026年3月に大阪(関西)〜福州経由〜プノンペン線の開設も予定しており、日本とカンボジアを結ぶネットワークを強化していく方針だ。

【kankokeizai.com 編集長 江口英一】

 
 
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