端末を使用する熊谷次長
栃木県鬼怒川温泉にある日光きぬ川スパホテル三日月は今年7月、バイキングレストランに鈴茂器工(東京都中野区)提供の自動配席AIシステム「ARESEA(アレシア)」を導入した。
このシステムは、レストラン会場の空席状況を端末に表示することで、受け付け時の混雑緩和に成功。顧客満足度の向上に加え、スタッフ業務の効率化が図れたという。
バイキングレストランは今年3月にリニューアル。それまでは、朝食と夕食会場として使用されていたが、リニューアルをきっかけに、ランチとナイトタイム(夜食)の提供も開始した。食事はライブキッチンで提供される出来たてのメニューが特徴。シェフが吟味した魚介類、肉、野菜の数々を顧客の目の前で料理する。すしやステーキ、種類豊富なデザートなどを提供する。
以前はスタッフが目視で空席状況を確認していた。ただ、420席あるレストラン会場は広く、受付スタッフは目視では会場内の状況が分からない。そのため会場内にいるスタッフにインカムで席状況を確認する必要があったが、この方法は煩雑で時間がかかる。その結果、20~30メートルの入場待ちの列が発生することが多々あった。
ARESEA端末は現在、レストラン入り口の受付に設置されている。レストランの空席確認はこの端末で簡単に把握できるようになり、待ち時間の短縮に成功した。料飲部次長の熊谷秀昭氏は、その導入効果についてこう話す。「レストランスタッフは海外スタッフが約8割を占める。もちろん日本語は話せるし、聞き取りもできるが、以前のインカムによる会話では日本人でも微妙なニュアンスは聞き取りが難しい。ARESEAであれば端末の画面上で完結できるため、そういったわずらわしさがない」。

レストランの作業風景
今後は、顧客が直接、端末を操作して席を決める受け付け対応の自動化と、インバウンド対応の多言語対応機能などを検討するという。
三日月では、鈴茂器工の「寿司(すし)ロボット」と、「ご飯盛付けロボット Fuwarica」も導入済みだ。「寿司ロボット」は厨房ですしシャリを握り、夕食のすしコーナーで提供されている。
「ご飯盛付けロボット」は3台を設置。ボタンを押すだけでご飯をほぐし、ふわりと盛り付ける。以前はスタッフが盛り付けていたが、1日に800~900人が使用するため大渋滞の発生も珍しくなかった。「人は待つことにストレスを感じやすい。Fuwaricaはボタンを押すだけですぐにご飯を盛れるため渋滞が激減し、お客さまの満足度向上につながった」と熊谷氏。
問い合わせ先は、鈴茂器工ホームページ(https://www.suzumo.co.jp)。

端末を使用する熊谷次長




