野原グループ株式会社は10月22日、インテリア内装材・壁紙ブランド「WhO(フー)」を通じて、地域文化商社「うなぎの寝床」とのコラボレーションによる久留米絣をモチーフにした新作壁紙16点を発表した。伝統工芸の価値を現代空間に取り入れる試みだ。
コラボ商品は「あべこべボーダー」

今回発表された壁紙は、久留米絣の特徴的な”ゆらぎ”を表現した「あべこべボーダー」と題するデザイン。「あべこべボーダー_small」(CBUN027~034)と「あべこべボーダー_large」(CBUN035~042)の2種類で展開され、価格は1メートルあたり4,500円となっている。
テキスタイルデザインユニット「pole-pole」がデザインを担当。織元との対話や現地視察を通じて、久留米絣が持つ独特の境界線の”ゆらぎ”に着目した。この”ゆらぎ”は、絣特有の複雑な製造工程と高度な技術から生まれる繊細な表情だという。
デザインユニット「pole-pole」は「現地で織元の職人さんと話す中で、久留米絣はズレている(かすれること)ことが魅力なのではなく、どうにかして図柄を綺麗に合わせようとする職人さんたちの気持ちが美しさをつくっているのだと感じました」とコメントしている。
伝統工芸を現代空間へ
このプロジェクトは「伝統工芸の価値を、これからの暮らしや空間の中にどう息づかせていくか」という問いから始まった。久留米絣を軸に、衣と空間を横断するコラボレーションとして、久留米絣の生地を用いた「もんぺ」と、その繊細な表情を壁紙として再構築したプロダクトを開発している。
壁紙は現代的な空間にもマッチするよう詳細にデフォルメされ、インテリアとして最適な色味や”あべこべ”を象徴する境界線のゆらぎを引き立てる色差を意識したカラー展開となっているという。
期間限定展示会も開催
新作発表に合わせ、10月22日から11月3日まで東京・清澄白河の「TOKYOBIKE TOKYO」にて「あべこべ久留米絣 MONPEと壁紙展」が開催される。27日と28日は定休日で、営業時間は平日が11時から18時、土日が10時から18時。眺めて楽しむ「壁紙」と触れて楽しむ「もんぺ」を期間限定で展示するという。
「WhO(フー)」は2015年に立ち上げられた壁紙ブランドで、2016年にはグッドデザイン賞を受賞。現在では3,000点を超えるデザイン性の高い壁紙をラインナップしている。
一方、「うなぎの寝床」は福岡県八女市を拠点とする「地域文化商社」。地域に伝わる歴史や文化を研究し、現代において経済的・社会的につないでいく仕組みを見出す活動を行っており、同じく2016年にグッドデザイン賞を受賞している。
両社は、久留米絣の文化や技術を空間づくりやライフスタイルの中に浸透させることで、市場や関係人口を広げ、地域産業の継続的な循環を目指している。






