ハイアット ホテルズ コーポレーションと株式会社 Kiraku は10月30日、両社の合弁事業で展開するラグジュアリー温泉旅館ブランド「吾汝 Atona」の世界観を体現する飲食店「割烹 吾汝」を2026年秋、京都・祇園白川に開業すると発表した。温泉旅館の新たな開業予定地として大分県・久住と北海道・余市が加わることも明らかに。

「吾汝 Atona」の世界観、先行して京都で体感

「割烹 吾汝」は、温泉旅館ブランド「吾汝 Atona」の世界観を旅館に先立って体感できる場として位置づけられる。日本が育んできた自然や文化を尊重しながら独自の視点で再解釈するというブランドコンセプトを体現し、「吾汝 Atona」が日本各地で出会った食材を使った料理をモダン割烹として提供する。
同建物の1階には、日本の風土を感じさせる和酒を中心としたバーも併設予定。空間デザインは乃村工藝社の小坂竜氏・田中悠史氏がディレクションを担い、アートディレクションは「吾汝 Atona」ブランドの世界観づくりも担う日本デザインセンターの原研哉氏が手がける。
温泉旅館の開業予定地が拡大
温泉旅館「吾汝 Atona」は昨年発表した由布、箱根、屋久島に加え、大分県・久住と北海道・余市での開業も予定。久住は九州本土最高峰を有するくじゅう連山と広大な草原に囲まれ、阿蘇くじゅう国立公園内の雄大な自然と育まれた文化が特徴だ。
一方の余市町は、縄文時代から海と大地の恵みを受け継いできた土地で、アイヌ語で「温泉のあるところ」とする地名の説もある。果樹園や葡萄畑が広がる独自の景観も魅力として挙げられている。
温泉旅館は2028年以降、各地での開業を予定。施設は1箇所あたり30~50室程度で、その地域の温泉や旬の食材を使った料理を提供する割烹、和酒を楽しめるバーなどを備える計画だ。
代表者のコメント
株式会社 Kiraku 創業者・代表取締役 CEO および株式会社 Atona 共同代表 サンドバーグ 弘 ウィリアム氏は「『吾汝 Atona』の食の世界観を最初にお届けする場として、2017年に拠点を移して以来暮らしてきた京都に店舗を開くことを光栄に存じます」と述べた。
日本ハイアット株式会社代表取締役および株式会社 Atona 共同代表 坂村政彦氏は「『吾汝 Atona』ブランドとして、そしてハイアットとしても、飲食店を宿泊施設に先行して開業するのは初めての試みです」と、新たな取り組みへの期待を語った。
「吾汝 Atona」は、日本各地の文化や自然の魅力を国内外の旅人に伝えることを目指すラグジュアリー温泉旅館ブランド。伝統的な旅館文化を尊重しながら、世界水準のサービスと日本の上質なもてなしを提供し、旅する人と地域の間に新たなつながりを紡ぐことを目指している。





