県の魅力を発信する伊原木知事
岡山県は10月23日、「晴れの国おかやま 観光プレゼンテーション2025」を東京都内で開催した。第1部の説明会では伊原木隆太知事=写真=があいさつしたほか、県観光連盟などが観光資源をPR。旅行会社や交通事業者、メディアなど、約90人が参加した。第2部では交流会も開かれ、説明会で紹介された同県の郷土料理などが振舞われた。
伊原木知事も登壇、「アートの企画が大成功」
説明会の冒頭、伊原木知事が登壇。「(近年は)アートの企画が結構当たっている。昨年も『森の芸術祭』が大成功し、2カ月で52万人のお客さまにお越しいただいた」と述べ、11月9日まで県南エリアで開催中の「瀬戸内国際芸術祭2025」や、それに合わせて地元の温泉旅館にもアート作品を置くといった観光関連事業者とのコラボについても紹介した。
説明会では、岡山県観光連盟主任の松野理絵氏、津山市観光・歴史まちづくり推進室主任の久川諒大氏が登壇し、温泉やアート、肉グルメの3テーマで観光魅力のプレゼンテーションを実施。参加した旅行会社の担当者に向け、商品造成への組み込みを呼び掛けた。

県の魅力を発信する伊原木知事
岡山県観光連盟の松野氏は、松阪牛や神戸牛のルーツとされる「千屋牛」の産地で知られる新見市や、パブリックアートや蒜山高原、名泉「砂湯」で知られる真庭市など、5市町の観光資源を紹介。
津山市観光・歴史まちづくり推進室の久川氏は、滋養強壮目的の肉食「養生食い」が江戸時代に認められていた、全国でも珍しい食文化を持つ同市の歴史を紹介。現代でも牛肉料理を提供する飲食店が多いことをアピールした。近年は津山城・城下町泊プロジェクトが進行していることも紹介し、国の登録有形文化財「旧梶村家住宅」を含む4施設が分散型ホテルとして来年11月に開業予定だと報告した。
来年秋には「産業芸術祭」も初開催
説明会の後半では、終盤に大型備蓄電池の製造・販売を手掛けるパワーエックス(岡山県玉野市)の伊藤正裕・取締役執行役員社長CEOも登壇。産業を「アート」に見立てて展示する「瀬戸内産業芸術祭」を来年秋に初開催すると発表した。
瀬戸内産業芸術祭は、観光庁の「地域・日本の新たなレガシー形成事業」に採択されたプロジェクトで、アートを回遊しながら観光資源に触れる従来の芸術祭と異なり、産業(ものづくり)をアートと融合させ、「分散型美術館」として地場産業に触れてもらうというもの。バスで展示施設(地元企業や工場など)を回遊するツアー形式で実施する。
説明会で伊藤社長は、今年1月にテスト開催し、同社を含む岡山県内の企業3社が参画したことを報告。そのうち老舗食塩メーカー・ナイカイ塩業(玉野市)は、塩で芸術作品を制作するクリエイター・山本基氏によるインスタレーション作品をナイカイ塩業の体育館内に展示したことを紹介した。
「(企業を)普通に紹介すると、ただの会社紹介になってしまい子供などあまり興味がない人には刺さらない。そこに塩で彫刻を作るアーティストの方に来ていただいた。展示が終わると塩を海に返す循環型の作品になっている」と説明。現在は、来年10~11月の第1回開催を目指し地元企業と準備中で、来年春には詳細の開催概要を発表できる見込みだとした。

「産業芸術祭」の概要を説明するパワーエックスの伊藤社長
瀬戸内産業芸術祭については、公式サイト(https://www.sai-art.jp/)でも紹介している。




