金子国交相が専門紙会見 政府目標の達成を引き続き推進 「全国各地に観光の恩恵を」


金子国交相

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 金子恭之国土交通相は24日の専門紙向けの就任会見で、今後の観光政策について方針を述べ、引き続き現行の政府目標達成を目指していく考えを示した。一方課題として、インバウンドの三大都市圏集中や、一部地域でのオーバーツーリズムを挙げ、観光の持続可能性を高める取り組みを推進すると強調した。

 金子国交相は観光産業について、「わが国の成長戦略の柱であり、地方創生の切り札として極めて重要だ」と言及。2030年までに訪日客数6千万人、その消費額15兆円を目標に掲げ、各種取り組みを推進していると説明した。

 一方課題としては、三大都市圏集中や一部地域・時間帯に訪日客が集中すること、観光客によるマナー違反で生じる弊害などを挙げた。「第5次観光立国推進基本計画」の改定に向けても、議論を行っていると報告した。

 「インバウンドの受け入れが国民生活に悪影響を与えないよう、国民生活との両立のための施策を徹底することが大前提だ。地方誘客のより一層の促進、オーバーツーリズム対策など、観光の持続可能性を高める取り組みを進める必要がある」と強調。「地域の住民の方々も含め全国各地に観光の恩恵が及び、観光振興の意義を国民が実感できるようにしっかりと取り組んでいく」と述べた。

 また、2024年4月にスタートした「日本版ライドシェア」については、「制度創設以降、実情や現場ニーズを踏まえながら柔軟な運用改善を行っており、タクシーと合わせた配車マッチング率も大幅に改善した。地域の足や観光の足の確保にタクシーを補完する一定の役割を担っている」と評価。引き続き、利用者のニーズに応じた運用改善を図り、施策の実施効果を検証しながら交通空白の解消に向け取り組む姿勢を示した。

 現在進行している成田空港の「第2の開港プロジェクト」については、経済安全保障や観光物流を通じた成長戦略・地方創生の観点から極めて重要と指摘。「インバウンド需要が拡大していくことも踏まえ、ターミナルや利便性の強化、グランドハンドリングの人材確保やDX化、GX化による持続可能性の確保、輸送力が逼迫している空港アクセスの改善等の課題にもしっかりと取り組んでいきたい」と述べた。

 金子 恭之(かねこ・やすし)熊本4区、当選9回。総務相、国土交通副大臣、衆議院国土交通委員長などを歴任。64歳。

 
 
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