【輝く!若手社員】日本航空ソリューション営業本部 九州支社事業部事業推進グループ JALふるさとアンバサダー 信末桃子さん


信末桃子さん

信末桃子さん

客室乗務員の経験生かし、地域課題を解決

 ――航空業界を志望したきっかけは。
 「出身は福岡県。沖縄県内の大学に進学したことで、飛行機を利用する機会が増えました。元々人と話すことが好きで、将来は接客業に就きたいと考えていましたが、客室乗務員の皆さんの仕事ぶりを拝見し、『私もこんなふうに働きたい』と考えるようになりました」

 ――客室乗務員が自身の故郷やゆかりのある地域の課題解決に取り組む「JALふるさとアンバサダー」として活躍されています。

 「もともと国内・国際線で客室乗務に従事していましたが、昨年4月、前任アンバサダーの任期満了に伴い、社内公募を通じて就任しました。現在は、地元・福岡を拠点に、佐賀、山口の3県を担当しています。就任前は、『ふるさと応援隊』として客室乗務の傍ら、地域イベントなどの場でふるさとアンバサダーをサポートしてきました。その一つとして、当社が佐賀県唐津市で行っているブルーカーボン資源を活用した環境保全の取り組みとして、養殖ワカメの収穫作業を体験。アンバサダーの皆さんの幅広い活動を知り、地域に寄り添いながら働く姿に心動かされ、地元の方々とより深く関わりたいという思いが芽生えました」

 「現在、ふるさとアンバサダーは全国に27人(海外基地乗務員によるアンバサダーGLOBAL含む)在籍し、そのうち8人が九州に所属しています。乗務資格を維持するため、年に2~3回、各自フライト業務も行います」

 ――活動内容は。

 「企業・学校での講演や、地域の特産品を活用した商品開発、地域イベントでの司会、メディア・SNSを通じた情報発信など、活動は多岐にわたります。また、当社の『非航空事業』の一環として、教育プログラムやふるさと納税、地域活性化に関するプランを自治体などに提案する営業活動も行っています。案件を進める際には、他県のアンバサダーと直接連絡を取り合い経験や知見を共有してもらうこともあります」

 ――印象に残っている活動はありますか。

 「福岡県福津市の地域商社『福津いいざい』と連携し、従来廃棄されてしまっていたトビウオの頭や骨などの部位を使った粉末だしパック『空飛ぶあごだし』の商品開発に携わりました。前任のアンバサダーから引き継いだプロジェクトで、当初はスイーツの開発を予定していましたが、商品化直前で中止に。そこで海産物を多く扱う事業者さんの強みに着目し、再提案を行いました。約1年半にわたる協議と試作を経て、今年8月、無事に商品化が実現しました」

 「福津市といえば、カフェが多いことや、『福間海岸』『かがみの海』といった絶景スポットのイメージがありました。しかし、プロジェクトを通じて、漁港でトビウオやタイが水揚げされていることなど、地域の新たな魅力を発見することができました」

 ――地域の人々と関わる中で、接し方や考え方に変化はありましたか。

 「客室乗務員時代は、一期一会の出会いを大切にしてきました。アンバサダーに就任してからは、数年単位で関わることも多くなり、相手との信頼関係を築くことが何より大切だと感じています。今でも人との接し方には常に気を付けています」

 ――現在進行中のプロジェクトは。

 「私の母校である福岡県立小倉南高校とのプロジェクトを進めています。在学中にお世話になった先生が、現在校長先生を務めておられ、昨年、在校生に講演を行ったご縁から、さまざまなお話をいただくようになりました。10月に予定している北海道への修学旅行にはJAL便をご利用いただくことになり、私が客室乗務員として搭乗する予定です」

 「今年、母校が創立120周年を迎え、記念式典の開催を前に、在校生を対象とした『おもてなし講座』の開講を控えています。生徒の皆さんが来賓の誘導や案内を担当されるそうで、”おもてなしの心”を教えてほしいというご依頼をいただきました。客室乗務員もお客さまをお迎えしてご案内やドリンクサービスを行いますので、そうした経験を踏まえ、少しでも実践的で役立つ内容をお伝えできればと考えています」

 ――この仕事の魅力は。

 「客室乗務員としての魅力はやはり、国内外のさまざまな地域に訪れる機会があることです。多くの人と出会い、さまざまな景色を見ることで、自分の知見や考え方が大きく広がると感じています。JALでは、客室乗務員として空の仕事に携わるだけでなく、ふるさとアンバサダーとして地上で地域事業に関わる道も用意されています。多様なキャリアの選択肢があることもこの仕事ならではの魅力。講演などの場を通じて、やりがいを多くの方々に発信しています」

 ――休暇の過ごし方は。

 「サウナが趣味です。最近、ゴルフを始めまして、今度社内コンペにも参加する予定です。趣味を通じて得た経験が、今後仕事にも生かせたらいいなと思います」

【聞き手・溝部あゆ美】

信末桃子さん
信末桃子さん

◇観光業界で活躍する35歳以下の若手人材に焦点を当てた新インタビュー企画です。仕事の魅力ややりがい、キャリアの向き合い方など、リアルな声を随時掲載します。

 
 
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