
旅のモチベーションに注目 AI活用も急増
Trip.com Group と Google は10月22日、2026年の旅行トレンドレポート「Why Travel?」を発表した。両社のグローバル予約データと検索データを組み合わせた分析により、旅行者が文化・コミュニティ・テクノロジーを通じて、より充実感を得られる体験重視の旅を求める傾向が明らかになった。
レポートでは2026年に向けた5つの旅行トレンドを提示。「自分らしさを表現する旅行」「学びと体験を重視する旅行」「ウェルネス体験型の旅行」「つながりを楽しむ旅行」「テクノロジーと共に進化する旅行」が今後の旅行の鍵となる。
特に注目すべきは、個性や美意識が旅行選択に反映される「自分らしさを表現する旅行」だ。SNSが予約行動に大きな影響を与えており、75%以上の旅行者がSNSのライブ配信を視聴し、40〜76%が配信リンクから直接予約する可能性があるという。
文化体験への関心も高まっている。「学びと体験を重視する旅行」では、「日本の茶道」に関するGoogle検索が前年比53%増となるなど、伝統文化体験が人気を集めている。
「ウェルネス体験型の旅行」では、身体的チャレンジとリラクゼーションの両立が特徴的だ。「ゴルフ&スパ」検索は前年比300%増、「スキー&スパ」パッケージは250%増と、アクティブな体験と癒やしを組み合わせた旅行形態が急拡大している。
「つながりを楽しむ旅行」では旅行の共有体験としての価値が向上。友人や家族、ファンコミュニティが旅行先選択に影響を与え、コンサートやスポーツ観戦が主要な旅行動機となっている。調査によれば、3分の2の旅行者が海外の音楽ライブのために渡航するほか、ランナーやサイクリストなど競技者の国境を越えた旅行は5倍に増加している。
「テクノロジーと共に進化する旅行」では、AIなどのテクノロジーが旅のパートナーとしての存在感を増している。旅行計画支援の検索は前年比190%増と急増しており、AIは旅行者だけでなく、Trip.com Groupのような旅行事業者にとっても、新しい機会創出の鍵となるとしている。
Trip.com Groupは今後、コミュニティ重視の予約やAI活用の旅の拡大を見据え、音楽ライブ旅行パッケージを拡充するとともに、AI搭載のプランニングツールなどでシームレスかつパーソナライズされた旅の提供を進めるという。
同社は「今後の旅行消費者の成長は、感情的共感、文化理解、テクノロジーによる柔軟性が原動力となる」と分析している。
なお、フルレポートは同社ウェブサイトで公開されている(英語)。
Trip.com Groupは、Trip.com、Ctrip、Skyscanner、Qunarをブランドに持つグローバル旅行サービスプロバイダー。1999年設立、2003年にNASDAQ上場、2021年に香港証券取引所に上場している。「最高の旅を、すべての人へ」をミッションに掲げている。