
鳥海氏
大阪・関西万博は10月13日に閉幕したが、万博会場の東ゲート前に位置する大阪メトロ中央線の夢洲駅には連日多くの来場者やスタッフなどの関係者でにぎわったが、万博閉幕翌日の14日から大阪メトロ中央線はダイヤ改正を行い、これまで最小2分30秒間隔だったダイヤが最小3分20秒間隔になった。
万博期間中は上り376本、下り379本だったが、平日は上り177本、下り181本、土・日・祝日については上り151本、下り155本となった。万博開幕前の水準に戻ったが、最大の変化は、約2本に1本が夢洲駅の一つ手前のコスモスクエア駅での折り返しとなった。万博期間中はコスモスクエア駅から夢洲駅までは375本だったが、平日99本、土・日・祝日は84本に大きく減少する。
特にコスモスクエア駅を、10時台から15時台までは1時間あたり4本のみの発車となり、15分間隔に。当面は万博の撤収作業などが行われることから、パビリオン関係者や工事関係者などの利用が想定されることで、朝や夕方などの時間帯は本数もあり、平日ダイヤでは、コスモスクエアから夢洲へ7時台は8本、8時台は12本、9時台は7本が設定されている。
大阪メトロ中央線は、梅田やなんばなどのターミナル駅は通らず、弁天町、本町、森ノ宮などの東西を結ぶ路線で、特に観光客でこれまで利用したことがある人は限られていたが、今回の万博で初めて利用した人も多かったが、オペレーションも素晴らしく、万博期間中に1度だけ夜の帰宅ラッシュに運転見合わせとなり、大きな影響が出てしまい、本来は22時までだった万博会場を開放し、「オールナイト万博」となった日もあったが、短時間の運転見合わせはあったが、大きな運転見合わせは半年間でこの1回だけだったことを考えると、素晴らしい運営であったと言える。
そして帰宅時についても、夢洲駅のホームにたどり着けば、2本待てば座れることから、ほぼ10分待てばゆっくり帰ることができた。また、夢洲行きの始発列車は日を増すごとに、朝9時入場の予約を持った人が少しでも前に並ぶべく、利用者が増えた。本町駅では朝5時17分発であったが、最終盤では途中駅で乗車できない人が続出したことから、本町駅始発の朝5時14分発の臨時列車が追加設定され、私も最終日の10月13日に利用したが、多くの人が乗車していた。
まさに今回、万博会場への交通アクセスの中心的役割を果たした大阪メトロ中央線。乗車機会は今後減るが、今後IR(統合型リゾート)が整備されれば、また利用の機会は増えるだろう。
(航空・旅行アナリスト、帝京大学非常勤講師)