
加賀温泉コトモノコンテンツツーリズム協議会は10月21日、観光庁「地域観光魅力向上事業」に採択された「加賀セミオーダーメイドツアー造成事業」の一環として、高付加価値インバウンド層向けモニターツアーを11月4日・5日に開催すると発表した。伝統工芸と地域の食材・文化資源を組み合わせた滞在型観光コンテンツの創出を目指す。
若手シェフと工芸作家のコラボレーション企画
モニターツアーのメインコンテンツとなる「加賀ガストロノミーショーケース」は、若手実力派シェフと若手女性工芸作家によるコラボレーション企画だ。RED U-35 2018でグランプリを獲得したオーベルジュオーフの糸井章太シェフが、橋立漁港の海産物や地元の加賀野菜を特別料理としてアレンジ。その料理を地元若手女性工芸作家・田中瑛子氏(漆器)および吉田みふゆ氏(九谷焼)の器に盛り付けて提供する。
加賀ガストロノミーショーケースは11月4日にギャラリー&サロン漏刻(ろうこく)で16:30と19:30の2回実施される。作品は購入も可能で、体験(コト消費)と購入(モノ消費)の両面での価値創出を目指している。
伝統工芸体験を含む充実した2日間
2日間のツアーでは加賀ガストロノミーショーケース以外にも、和菓子づくり体験(菓子司よこや)、金箔貼り体験(錦山窯)、橋立港の夕競り見学などが予定されている。宿泊はミシュランキー掲載施設のべにや無何有・あらや滔々庵ほかを利用。翌日は木地挽き体験・工房見学(川北工房)、ミシュラン掲載ビブグルマンの鮓一貫での昼食などが組まれている。
このモニターツアーは、本事業のテストマーケティングを兼ねており、ターゲットとなる高付加価値インバウンド層が参加する。
セミナーも開催
モニターツアー終了翌日の11月5日には、「高付加価値層の観光市場を知るセミナー」が山代温泉旅館組合で開催される。セミナーでは宝塚医療大学観光学部准教授の山口一弥氏による「インバウンド受入の課題」についての講演や、株式会社ラグジュリーク代表取締役&CEO眞野ナオミ氏による「高付加価値インバウンド層の動向」についてのセミナーが予定されている。
加賀温泉コトモノコンテンツツーリズム協議会は、加賀温泉郷において長期滞在のニーズが高い高付加価値インバウンド層向けの観光コンテンツを創出し、受け入れ体制の強化を進めている。山中漆器や九谷焼といった伝統工芸と地域の食材・文化資源を組み合わせたセミオーダーメイド型の観光コンテンツは、地域の新たな魅力として期待されている。