大阪・関西万博が閉幕 「いのち輝く未来社会のデザイン」実践の意義示す


万博最終日のフラッグパレード

万博最終日のフラッグパレード

184日間、2500万人が来場

 大阪・夢洲で実施されていた2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)が13日、閉幕した。開幕からの累計来場者数は、関係者を除く一般来場者が2558万人、関係者を含む入場者数は2900万人。最終日には一部パビリオンでの閉館セレモニーや参加国などによるフラッグパレードが行われた。閉会式では、「大阪・関西万博宣言」を発表。「多様でありながらも、ひとつ」になり、「いのち輝く未来社会のデザイン」について、対話や実践を行っていくことの意義などを示した。

 各国パビリオンで閉会セレモニーなどが行われる中、午前中にはEXPOナショナルデーホール「レイガーデン」で大阪・関西万博宣言フォーラムが開催された。2025年日本国際博覧会協会の十倉雅和会長、伊東良孝・内閣府特命担当相(国際博覧会担当)、吉村洋文・大阪府知事が登壇してそれぞれあいさつ。このうち吉村知事は「『いのち輝く未来社会』とはどういうものなのかという問いを立て、皆で考え、共有してきたこの半年間だった。その答えを万博宣言という形で共有し、この考え方は今後も続くものとして、次の時代の羅針盤としていきたい」と語った。

 次いで行われたパネルディスカッションでは、石川勝・会場運営プロデューサーをモデレーターに、会場運営プロデューサーの藤本壮介氏、「いのち会議」事業推進協議会議長の西尾章治郎・大阪大学前総長、モーリーン・スミス・ジャマイカ陳列区域代表らがパネリストとして登壇。今回の万博での取り組みや万博宣言について意見を交わした。

 このうち大屋根リングの設計者でもある藤本氏は「5年前、今の時代の万博の意味を考えた時に、世界の分断が進む中で、多くの国や地域が一つの場所に集まること自体が非常に尊く、世界への力強い、希望のメッセージになると考えた」と述懐。「リングの中で皆さんが交流し、ポジティブなエネルギーを分かち合えた経験を終わらせることなく、今後も多様なわれわれがつながり、チャレンジできる、そしてこれからの社会に貢献できるような宣言になれば素晴らしい」と語った。

 その後、伊東博覧会担当相から国際連合のマーヘル・ナセル事務次長補・陳列区域代表、博覧会国際事務局(BIE)のディミトリ・ケルケンツェス事務局長に対し、宣言文を手渡した。

万博宣言フォーラムでのパネルディスカッション
万博宣言フォーラムでのパネルディスカッション

 午後2時からはEXPOホール「シャインハット」で閉会式が実施された。今万博の名誉総裁である秋篠宮皇嗣殿下をはじめ、石破茂首相らが出席。吉村知事が関係者や来場者に謝意を述べたほか、伊東博覧会担当相が大阪・関西万博宣言を発表。次の登録国際博覧会であるサウジアラビアの2030年リヤド国際博覧会(リヤド万博)へのBIE旗の受け渡し式などを行った。

 次の登録国際博覧会であるリヤド万博は、2030年10月1日~2031年3月31日に開催予定。

「宣言」も発表(要旨)

 世界各地からの参加者と出展者が、「いのち輝く未来社会のデザイン」というテーマのもと、大阪・関西に結集して184日間の登録博を開催し、世界中から2800万人を超える来場者を迎え入れた。

 会期前のパビリオン建設や展示準備における様々な制約、そして会期中の運営における困難などを乗り越え、関係者は一貫して密接に連携し、日々、改善・進化を続け、会期を全うした。国際社会が多様な課題に直面し、将来に向けた展望に不確実性が高まる中、165の公式参加者とホスト国はナショナルデー・スペシャルデーを称え合いながら、それぞれの独自の文化とアジェンダを力強く表現し、大阪・関西をはじめ日本中、世界中からの来場者とともに万博を共創しつつ、大屋根リングに体現される「多様でありながら、ひとつ」とのメッセージを世界に発信した。

 会場では、生態系である「静けさの森」を中心に据え、それを取り囲むシグネチャーパビリオン、公式参加者や国内関係者のパビリオンの展示やイベントにおいて、自らの国や事業の魅力を訴求するだけではなく、「いのち輝く未来社会のデザイン」という問いに対するそれぞれの解釈を示した。

 大阪・関西万博では、関わったすべての人々が、多様でありながらも、ひとつにつながり、対話し、共働し、それぞれの文化を共鳴させ合う中で、いのち輝く未来社会に向けたメッセージを発信してきた。そうした議論や実践が、今後の万博に継承されるとともに世界の人々が未来社会をデザインしていくことに資することを願い、本宣言とする。

万博最終日のフラッグパレード
万博最終日のフラッグパレード

 
 
新聞ご購読のお申し込み

注目のコンテンツ

第38回「にっぽんの温泉100選」発表!(2024年12月16日号発表)

  • 1位草津、2位道後、3位下呂

2024年度「5つ星の宿」発表!(2024年12月16日号発表)

  • 最新の「人気温泉旅館ホテル250選」「5つ星の宿」「5つ星の宿プラチナ」は?

第38回にっぽんの温泉100選「投票理由別ランキング ベスト100」(2025年1月1日号発表)

  • 「雰囲気」「見所・レジャー&体験」「泉質」「郷土料理・ご当地グルメ」の各カテゴリ別ランキング・ベスト100を発表!

2024年度人気温泉旅館ホテル250選「投票理由別ランキング ベスト100」(2025年1月13日号発表)

  • 「料理」「接客」「温泉・浴場」「施設」「雰囲気」のベスト100軒