休暇村南淡路、富裕層狙い改装へ オープンキッチンやプレミアム客室


約11メートルのオープンキッチン。グループ向けに最大12人対応の個室もある

 今年7月にリニューアルオープンしたリゾートホテル「休暇村南淡路」(兵庫県南あわじ市、和田慎一総支配人)は10月2~3日、マスコミを対象に取材旅行を実施した。リニューアルの狙いや今後の展開とともに、大塚国際美術館や藍よしのがわトロッコ列車などエリアの観光魅力を発信した。

 取材旅行はJR四国が協力し、観光経済新聞など12社が参加した。

 休暇村南淡路は瀬戸内海国立公園に位置するリゾートホテルで、1963年4月に4番目の休暇村としてオープン。宿泊施設では珍しい大型望遠鏡を備えた「天文台ポラリス」での星空観察などが人気だ。年間6万人ほどが宿泊する。

 まず7月12日に「オーシャンフロント ダイニング 淡路島キッチン」をオープン。約11メートルのオープンキッチンを新設、瀬戸内海の鮮魚を使った刺し身やすし、天ぷら、淡路牛のステーキ、淡路島玉ねぎ料理などを提供する。11月1日からは淡路島初のブランドふぐ「淡路島3年とらふぐ」が味わえるプレミアムコースを始める。


約11メートルのオープンキッチン。グループ向けに最大12人対応の個室もある

 ふぐ養殖場の中で最も水温が高く、潮の流れが速い鳴門海峡の近くの福良湾のふぐは3年かけて育てることで1.2~1.8キロの大きさとなり、身が締まり味も濃厚という。刺し身や唐揚げ、雑炊などで提供。料金は1人3万5700円から。

 客室については、全79室(収容人員250人)のうち14室を和洋室に改装し、7月19日オープンした。

 最上階の5階に鳴門海峡と鳴門大橋を一望する、広さ72平方メートルのプレミアム和洋室を2部屋設けた。露天風呂のほか、ミニキッチンやドラム式洗濯乾燥機も完備し、長期滞在にも対応。宿泊料金(オープン記念価格、2人1室利用の大人1人当たり料金)は消費税込み、入湯税別で2万8500円から。

 広さ約36平方メートルのシャワーブース付き和洋室(4室)は2万500円から、約36平方メートルの和洋室(8室)は1万9500円からとなっている。


最上階5階に2部屋設けたプレミアム和洋室

 期待をかけるのが、徳島県と兵庫県・淡路島を結ぶ大鳴門橋で整備が進められている自転車道。2027年度完成予定で、年間利用者はサイクリスト9万台、一般観光客(徒歩+レンタサイクル)35万人が想定されている。

 「サイクルツーリズムが注目を集めそうで、外国人サイクリストも増えそうだ。そうした人たちの滞在先としてもアピールしていきたい」と施設関係者は話す。

 2日は道の駅くるくる鳴門で海鮮丼を。総重量約2キロという3段重ねのくるくる大渦海鮮絶景丼は圧巻のボリューム。その後、大塚国際美術館(徳島県鳴門市)に。モナ・リザなど世界の名画千点以上を陶板で同じ大きさに再現しており、年間50万人以上が訪れる観光スポットだ。

 3日は大鳴門橋遊歩道で鳴門の渦潮が真下に広がる「渦の道」を見学。展望室には畳1畳ほどのガラス床が計8枚はめ込まれており、スリルを味わいながら45メートル下の渦潮を見ることができる。

 20年10月にデビューしたJR徳島線の徳島駅―阿波池田駅間を走るトロッコ列車「藍よしのがわトロッコ」。この日は穴吹駅―阿波池田駅間を乗車。その後、「天空の鳥居」として知られる高屋神社本宮(香川県観音寺市)に。標高404メートルの稲積山の頂上にある鳥居からは観音寺市街と瀬戸内海が一望できる。

 瀬戸内海の小さな港町、香川県三豊市仁尾では、町に点在する歴史ある建物を再生し、町を歩きながら泊まるという試みが行われている。
 「NIPPONIA 仁尾 水鏡の町」は町内に4棟の宿泊施設を運営。日本の古き良き伝統文化に興味を持つ外国人の利用者も増えているという。

 最後に訪れたのはインスタ映えするとして有名になった仁尾町の父母ヶ浜。住民による清掃活動やSNSを使った観光誘客などの持続的な取り組みが評価され、三豊市は先ごろ国際的な認証団体が選ぶ「世界の持続可能な観光地トップ100」に入った。

 
 
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