JTBとNICE、ボランティア体験共有で地域活性化へ循環モデル構築


株式会社JTBは10月2日、旅行記録アプリ「notabi(のたび)」を通じて、NPO法人NICE(日本国際ワークキャンプセンター)と連携し、国内外のボランティア活動体験を「旅の記録として共有する」新たな取り組みを開始すると発表した。外部視点による「地域の魅力発見」を可視化し、旅行者への認知拡大を通じて地域活性化を促進する循環モデルの構築が狙い。

地方活性化の課題に外部視点で挑戦

日本の地方部では少子高齢化が進行し、地域活性化が急務となっている。だが地域の魅力や価値は地元住民には身近すぎるため気づかれにくく、外部からの新鮮な視点による再発見が求められている現状。

1990年設立のNICEは、国内外でボランティア活動を展開し、多様な地域課題の解決に取り組むと同時に、自然・文化体験などを通じた地域の隠れた魅力の発見を続けてきた。しかし参加者が見つけた地域の魅力や活動内容が十分に記録・共有されておらず、ボランティア活動を通じて発見した感動の可視化が課題となっていた。

「notabi」で体験を共有し発信

今回の取り組みでは、JTBの旅行記録アプリ「notabi」プラットフォーム上で、NICEが展開する国内外のボランティア活動体験を記録・共有する。具体的には、ボランティア参加者が「notabi」アプリを通じて活動の様子をリアルタイムで記録。写真や体験談とともに地域の魅力をより手軽に発信することで、これまで参加者個人の記憶に留まっていた貴重な地域情報を可視化し、多くの旅好きユーザーに共有される仕組み。

JTBはこれまで培ってきた知見やノウハウを活かし、「notabi」に蓄積されたボランティア体験データを「旅行商品開発」や「地域プロモーション」に活用する仕組みを構築する。旅行記録アプリ「notabi」でボランティア活動を記録・共有することで、マップ上やおすすめの旅として画面表示され、興味を持ったユーザーが新たにボランティアに参加する好循環を創出。国内外のボランティア活動による国際的な相互理解促進により、ボランティア参加者と地域が継続的に関わる環境整備を目指す。

「国際ボランティア大賞2025」に「notabi部門」新設

本取り組みを記念し、NICEが主催する「国際ボランティア大賞2025」では、従来の「プロジェクト部門」と「ボランティア部門」に加えて、特別に「notabi部門」が新設される。この部門では、過去の参加者も含むNICEでのボランティア活動参加者から、活動を通じて発見した地域の魅力を「notabi」上で応募してもらい、受賞者を決定する。

イベントは10月19日の横浜での東日本大会を皮切りに、名古屋、大阪、福岡で地区大会が開催され、12月21日には東京で全国決勝大会が行われる予定だ。

提携企業の概要

「notabi」はJTBが提供する旅行アルバム作成・共有アプリ。スマートフォンの写真を読み込み、位置情報などから自動で旅のアルバムを生成。編集・共有することで自分だけの旅の記録を残したり、同じ趣味を持つユーザーと繋がったりできるのが特徴だ。

一方のNICEは1990年に設立された国際ボランティアNGOで、会員数約1万9000名(2025年9月現在)。日本で唯一、国連・CCIVSに加盟し、アジアの国際ボランティアネットワークであるNVDAを創設。35年間で8万人超のボランティアと100万人超の地域住民が活動に参加した実績を持つ。

この連携により、ボランティアという新たな切り口から地域の魅力を発掘し、持続可能な地域活性化モデルの構築を目指す。地域とボランティア、そして旅行者をつなぐ好循環の始まり。

 
 
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