
株式会社エイチ・アイ・エスは10月2日、同社が運営するHR領域の研究機関「Hcross」が企業の人事課題解決と学生の実践的学びを目的とした「共創プロジェクト」を開始したと発表した。第一弾として桜美林大学と連携し、「DEIB」をテーマにした活動報告会を11月5日に同大学新宿キャンパスで開催する予定だ。
企業と学生による「共創のハブ」を目指す
「人事実務のオープンイノベーションプラットフォーム」の実現を掲げるHcrossが始動させた今回のプロジェクト。様々な人事課題をテーマとして設定し、学生の新鮮な視点を取り入れることで新たな解決策を探る継続的な取り組みとなる。Hcrossは単なる情報提供の場を超え、企業と次世代が未来の人事課題を共に解決していく「共創のハブ」となることを目指している。
桜美林大学と「DEIB」テーマで連携
プロジェクト第一弾では、「DEIB(Diversity = 多様性、Equity = 公平性、Inclusion = 包括性、Belonging = 帰属意識)」をテーマに桜美林大学ビジネスマネジメント学群のゼミと連携する。DEIBは労働人口の減少と価値観の多様化を背景に、企業の持続的成長に不可欠な経営課題となっている現状だ。
多くの企業では「推進担当者を置いたものの、具体的な施策が現場に浸透しない」「研修は行うが、行動変容に繋がらない」といった課題に直面している。こうした背景から、桜美林大学の学生チームが川崎昌准教授、近山和広准教授の指導のもと、半年にわたり「企業におけるDEIB推進のコンテンツ検討」に関する活動を進めてきた。
11月に活動報告会を開催
活動の成果は、11月5日に開催される報告会で発表される。概要は以下の通りだ。
- 日時: 2025年11月5日(水) 15:00~17:00
- 場所: 桜美林大学 新宿キャンパス(東京都新宿区百人町3-23-1)
- 参加費: 無料
- 形式: 対面
- 対象: 桜美林大学生、企業の人事担当者(招待制)
- 内容: 学生チームによる成果発表、参加者とのディスカッションなど
報告会で得られた知見や成果は、広くHcrossの会員企業に共有される予定だ。同研究機関は今後も様々な教育機関との連携を進め、企業には「リアルな課題解決」を、学生には「実践的な学びの機会」を提供し、人と組織の成長に貢献していくとしている。
人事課題解決のプラットフォームとしての役割
Hcrossは2020年5月に設立され、企業の人事問題を解決するための情報提供や最適なベンダー紹介を行う人事向け会員制サービスを運営している。2025年10月現在、850社1400名以上の会員を有する。主なサービスとして、「Hcrossカンファレンス」や「人事交流会」といったセミナーや座談会の主催、研修会社をはじめとする人事ベンダーと企業とのマッチングサービス「TOMI」、企業人事のベストプラクティス研究などを展開している。
今回の共創プロジェクトを通じて、企業の人事課題解決と学生の実践的な学びという双方のニーズを満たす取り組みが本格化する。人材不足や多様化する働き方など、複雑化する人事課題に対して、次世代の視点を取り入れた新たなアプローチが期待される。