羽田空港へのアクセス大幅短縮 新空港線で最短22分短縮に


 羽田エアポートラインと東急電鉄は10月3日、東急多摩川線と京急線を結ぶ「新空港線」の速達性向上計画について国土交通省から認定を受けた。渋谷や自由が丘など東京都心部と羽田空港間の所要時間が最大で22分短縮される見込み。2040年代前半の開業予定。

国交省が速達性向上計画を認定

 両社が本年4月に認定を受けた整備構想・営業構想に沿って8月1日に申請していた速達性向上計画が、国土交通省から正式に認定された。この認定により、鉄道事業法における事業許可を受けたものとみなされる。

 計画によると、東急多摩川線矢口渡駅・蒲田駅間から蒲田駅を経由し、京浜急行電鉄本線・空港線京急蒲田駅付近までの連絡線(新空港線)および連絡施設を新設する。営業距離は蒲田駅〜蒲田新駅(仮称)間の0.8kmとなる。

 整備スキームでは、羽田エアポートラインが連絡線および連絡施設を整備・保有し、東急電鉄が使用して営業を行う上下分離方式を採用。総事業費は約1,248億円で、整備期間は2025年10月から2042年3月(残工事期間含む)までとなっている。

運行計画と整備効果

 新空港線では、渋谷方面から東急東横線、多摩川駅、蒲田駅を経由し、新設される蒲田新駅(仮称)までの運行が計画されている。運行頻度は朝の最混雑時間帯に20本/時程度、その他の時間帯は10本/時程度となる予定だ。

 利用する車両は3両編成と8両編成で、東急電鉄の運賃体系を基本としつつ、蒲田駅〜蒲田新駅(仮称)間には加算運賃を設定するとしている。

 整備効果の一例として、中目黒駅から京急蒲田駅付近(蒲田新駅(仮称))までの所要時間が現在の約36分から約23分へと約13分短縮される。自由が丘駅からは現在の約37分から約15分へと約22分の大幅短縮が見込まれている。

国際競争力強化と地域発展へ

 新空港線事業は、交通政策審議会答申第198号において「国際競争力の強化に資する鉄道ネットワークのプロジェクト」の一つに位置づけられているプロジェクト。JR京浜東北線、東急多摩川線および池上線蒲田駅と京急蒲田駅間のいわゆる「ミッシングリンク」(不連続区間)を解消することで、国際競争力強化の拠点である渋谷・新宿・池袋などや東京都北西部・埼玉県南西部と羽田空港とのアクセス利便性の向上に寄与する。

 また、蒲田・京急蒲田地区をはじめとした地域のさらなる発展にも資するものとなっている。

都市鉄道等利便増進法に基づく整備

 今回の計画は、都市鉄道等利便増進法に基づいて進められている。同法は都市鉄道の既存路線を有効活用して行う、速達性の向上および駅施設の利用円滑化を対象とした鉄道整備手法を定めた法制度だ。

 営業主体(鉄道事業者など)と整備主体(第3セクターなど公的主体)を分離する上下分離方式が採用されており、整備主体が国と地方公共団体の補助を受け、残りの事業費を資金調達して施設整備を行う。営業主体は運行により得られる受益相当額を施設使用料として整備主体へ支払うことになっている。

 東急多摩川線多摩川駅および下丸子駅では、東横線から乗り入れる列車が停車できるよう、乗降場(プラットホーム)の整備などもあわせて行う計画となっている。

 蒲田新駅(仮称)は大田区蒲田四丁目に設置され、京急蒲田駅と接続する形となる見込みだ。運行開始時期は令和20年代前半(2030年代後半から2040年代前半)を予定している。

 
 
新聞ご購読のお申し込み

注目のコンテンツ

第38回「にっぽんの温泉100選」発表!(2024年12月16日号発表)

  • 1位草津、2位道後、3位下呂

2024年度「5つ星の宿」発表!(2024年12月16日号発表)

  • 最新の「人気温泉旅館ホテル250選」「5つ星の宿」「5つ星の宿プラチナ」は?

第38回にっぽんの温泉100選「投票理由別ランキング ベスト100」(2025年1月1日号発表)

  • 「雰囲気」「見所・レジャー&体験」「泉質」「郷土料理・ご当地グルメ」の各カテゴリ別ランキング・ベスト100を発表!

2024年度人気温泉旅館ホテル250選「投票理由別ランキング ベスト100」(2025年1月13日号発表)

  • 「料理」「接客」「温泉・浴場」「施設」「雰囲気」のベスト100軒