
●地域と共に成長する
体験型ツーリズムは、参加者に自館に宿泊していただけるだけでなく、地域の活性化にもつながります。宿泊だけだと自館だけの利用になってしまいますが、体験型ツーリズムだと地域も参加でき、地域と共に潤えます。古民家を改造したカフェなどは人気です。同じ視点から、酒蔵やワイナリーをめぐるツアー、神社仏閣をめぐるツアー、夜景スポットツアーなど、地域がお薦めしたいものや場所を盛り込んだいろいろなツアーが組めます。地元のおいしい食事処やスイーツのお店、さらに、道の駅、海の駅、山の駅は、地元の食材や食べ物の宝庫ですから、ツアーを企画すれば、いろいろな発見をお客さまにもたらしてくれるはずです。
この時、地域のガイドにお手伝いいただきましょう。ガイドの有効活用です。名所にはそのような方たちがいます。宿泊するお客さまに歴史探訪のガイドをお願いします。他にも、ソムリエ、利き酒師、観光ナビゲーター、野菜ソムリエ、日本茶インストラクター、きのこマイスターなど民間の資格をお持ちの方に、ご協力いただきます。
さらに、その地方でしか見られない新聞やテレビ、ラジオ、地元の雑誌などのメディアをお客さまに積極的にご案内します。「夕方からローカル番組があるので、ぜひご覧ください」とお話しするだけで、その土地の“今”を知っていただけます。現地に関心を持っていただく機会となります。
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■日本ホテルレストラン経営研究所=ホスピタリティ業界(旅館、ホテル、レストラン、ブライダル、観光、介護)の人材育成と国際交流へ貢献することを目的とするNPO法人。同研究所の大谷晃理事長、鈴木はるみ上席研究員が監修する書籍「『旅館ホテル』のおもてなし」が星雲社から発売中。問い合わせは同社TEL03(3868)3275。