【旅館ホテルのおもてなし 97】旅館ホテルのこれからの役割④ 大谷 晃


 ●地域と共に成長する

 体験型ツーリズムは、参加者に自館に宿泊していただけるだけでなく、地域の活性化にもつながります。宿泊だけだと自館だけの利用になってしまいますが、体験型ツーリズムだと地域も参加でき、地域と共に潤えます。古民家を改造したカフェなどは人気です。同じ視点から、酒蔵やワイナリーをめぐるツアー、神社仏閣をめぐるツアー、夜景スポットツアーなど、地域がお薦めしたいものや場所を盛り込んだいろいろなツアーが組めます。地元のおいしい食事処やスイーツのお店、さらに、道の駅、海の駅、山の駅は、地元の食材や食べ物の宝庫ですから、ツアーを企画すれば、いろいろな発見をお客さまにもたらしてくれるはずです。

 この時、地域のガイドにお手伝いいただきましょう。ガイドの有効活用です。名所にはそのような方たちがいます。宿泊するお客さまに歴史探訪のガイドをお願いします。他にも、ソムリエ、利き酒師、観光ナビゲーター、野菜ソムリエ、日本茶インストラクター、きのこマイスターなど民間の資格をお持ちの方に、ご協力いただきます。

 さらに、その地方でしか見られない新聞やテレビ、ラジオ、地元の雑誌などのメディアをお客さまに積極的にご案内します。「夕方からローカル番組があるので、ぜひご覧ください」とお話しするだけで、その土地の“今”を知っていただけます。現地に関心を持っていただく機会となります。

   *    *
 ■日本ホテルレストラン経営研究所=ホスピタリティ業界(旅館、ホテル、レストラン、ブライダル、観光、介護)の人材育成と国際交流へ貢献することを目的とするNPO法人。同研究所の大谷晃理事長、鈴木はるみ上席研究員が監修する書籍「『旅館ホテル』のおもてなし」が星雲社から発売中。問い合わせは同社TEL03(3868)3275。    

 
 
新聞ご購読のお申し込み

注目のコンテンツ

第38回「にっぽんの温泉100選」発表!(2024年12月16日号発表)

  • 1位草津、2位道後、3位下呂

2024年度「5つ星の宿」発表!(2024年12月16日号発表)

  • 最新の「人気温泉旅館ホテル250選」「5つ星の宿」「5つ星の宿プラチナ」は?

第38回にっぽんの温泉100選「投票理由別ランキング ベスト100」(2025年1月1日号発表)

  • 「雰囲気」「見所・レジャー&体験」「泉質」「郷土料理・ご当地グルメ」の各カテゴリ別ランキング・ベスト100を発表!

2024年度人気温泉旅館ホテル250選「投票理由別ランキング ベスト100」(2025年1月13日号発表)

  • 「料理」「接客」「温泉・浴場」「施設」「雰囲気」のベスト100軒