
ピンクリボンのお宿ネットワーク(通称:リボン宿ネット)に加盟する岩手県花巻温泉郷の宿泊施設で1日、10月の「ピンクリボン月間」に合わせた取り組みが始まった。人工乳房の入浴テストや展示を行い、宿泊客に活動への理解を深めてもらうとともに、乳がんの早期発見・早期治療の重要性を呼び掛ける。
月間活動を「おっぱいリレー」と題し、人工ボディパーツの製作を手掛ける池山メディカルジャパン(名古屋市)協力のもと、各施設がリレー形式で実施。人工乳房を温泉にひたし、温泉成分による変形や変色、粘着剤の安全性を検証する。検証後は各施設で展示し、宿泊客に実際に手に取ってもらう予定。
加盟施設は結びの宿 愛隣館(新鉛温泉)、ホテル紅葉館(花巻温泉)、佳松園(同)、山水閣(大沢温泉)、湯の杜ホテル 志戸平(志戸平温泉)で、各施設独自の取り組みも展開。愛隣館では、公式LINE上で発行する専用クーポンの提示で、気軽に乳がんのセルフチェックをしてもらう「ハッピーバストミルク(乳液)」の提供や、貸し切り風呂の無料サービス(45分)を行う。
リボン宿ネットは、術後の傷などを理由に旅行を控える乳がん経験者に向けて、安心して旅館・ホテルでの入浴を楽しめる環境を整備することを目的に、2012年7月に設立。趣旨に賛同した全国の宿や団体、企業が加盟し、花巻観光協会は25年度に正式加盟した。医療関係者などを招いた勉強会や、地域の観光事業者とのシンポジウムを定期的に行っているほか、ピンクリボン月間に合わせ、加盟する宿の情報をまとめたフリーペーパーを発行し、宿などで配布している。