
森川歳久部長
多種多様な建材を開発
「ずっとここちいい空間の実現」を目指して
建材大手のDAIKENは、9月26日の創業80周年を迎えたタイミングで大建工業から社名変更を行った。併せて2026~35年までの次期長期ビジョン「TryAngle2035」も策定している。同ビジョンに掲げたのは「ずっとここちいい空間の実現」。
今回の社名変更の狙いや今後の展開、宿泊施設への販売手法などをマーケティング部長の森川歳久氏に聞いた。
――社名変更の狙いは。
創業80周年という節目の年に、次の10年に向けた新しいスタートを演出することが目的の一つ。併せて、これまでの製品(モノ)提案から空間ソリューション(コト)提案へと、提供価値の変革も明示しようとした。会社名をアルファベットにしたことで、グローバル展開を加速度的に進める狙いもあった。
――6、7月に東京と大阪で開催した80周年記念フェアとは。
DAIKENが考える暮らしの「ミライ」をプロユーザーに向けて提案するもの。取引先など多くのステークホルダーに感謝を伝えるとともに、来場機会の提供、企業と顧客の関係の強さを示すブランドエンゲージメントの強化を目的に開催した。
「80周年記念フェア」の様子
グループ会社を含む全従業員に、当社が進む未来やチャレンジ精神を再認識してもらい、会社としての一体感を高める意味もあった。ありがたいことに、両会場で予想を大幅に上回る8735人が来場した。
展示内容は、若手社員が中心になって企画。10年先の未来を想定した空間や快適空間の実現を目指した研究中のテーマやソリューション、環境に配慮した新素材などを展示した。
――フェア開催を経て、取引先や社員からの反響はどうか。
フェアでは、来場者のうち約40%のアンケート回答があった。「非常に満足」という回答が93%で、当社が目指す「ずっとここちいい」を感じたかという問いには、「そう感じる」という回答が96%。来場者の満足度はもちろん、社員の帰属意識の向上にもつながった有意義な展示会になったといえる。
――公共・商業施設向けに提案している代表的な製品を教えてほしい。
オフィス、商業施設、高齢者施設、医療施設と幅広い施設に対応できる「おもいやりドア」や不燃基材を使用した木目柄等の壁材「グラビオ」をはじめ、不燃性能と吸音性能を併せ持つ天井材「ダイロートン」、ロビー、客室など土足に対応し、防音性能も高い床材「コミュニケーションタフ」などのほか、和紙を使用した畳表「健やかおもて」が挙げられる。
――今後の宿泊施設への提案方法は。
宿泊施設と一口に言ってもラグジュアリーやシティ、ビジネスホテル、高級旅館や温泉旅館など幅広く存在する。各施設に適した製品をそろえる必要があると考えている。
求められる機能や性能はさまざまで、それぞれに合った商材を幅広くラインアップする製品開発を進めていく。
会社ロゴ
森川歳久部長