エクスペディア・グループは10月9日、アジア太平洋地域のパートナー向けイベント「EXPLORE Connect」において、AI・機械学習を活用した新たなツール群を発表した。旅行者の計画から予約までをシームレスにサポートする「Smart Trip AI™」や、パートナー向け広告ソリューション「Lodging Sponsored Listings API」など、業務効率化とパーソナライズ実現のための多様なツールを提供する。現代の旅行ニーズに応える先進技術の導入で、パートナーと旅行者双方の体験向上を目指す。
AI・機械学習で旅行体験を進化させる新機能
エクスペディア・グループのマーケットプレイスには、現在350以上のAIモデルが統合されている。膨大な一次データとAIを組み合わせることで、パートナーと旅行者の双方にスマートでパーソナライズされたサービスを提供する。
Smart Trip AI™で旅の計画がシームレスに
現代の旅行者の「もっと手軽に旅を計画したい」というニーズに応える会話型AIツール「Smart Trip AI™」が登場。業界の専門知識、旅行商品、最先端テクノロジー、そしてパートナーのロイヤルティ・プログラムを融合して開発された。リアルタイムで最適な旅先やアクティビティを提案し、ユーザーが効率的に選択肢を発見・比較・決定できるよう、旅の計画をサポートする。
マーチャンダイジングAPIで効果的なオファー提案
調査によると、今年は58%の旅行者が価格をより重視する傾向が強まっていることが明らかになっている。これを踏まえ、2026年にリリース予定の新しいマーチャンダイジングソリューションは、機械学習を活用し、パートナーが高パフォーマンスのキャンペーンを迅速かつ効果的に展開できるよう支援する。宿泊施設やパッケージなどの旅行商品を、旅行者に最適なタイミングで提案することで、エンゲージメントの向上とコンバージョンの最大化を図る。現在はベータ版をテスト中だ。
Typeahead APIで検索から予約までをスムーズに
Typeahead APIは、旅行者の検索体験を効率化する新機能。検索バーに文字を入力すると、関連性の高い目的地や施設が即座に提案され、希望の旅行先を効率よく見つけられるようサポートする。これにより、より快適なショッピング体験を提供し、サイト上での滞在時間や予約率の向上につなげる。
韓国・ソウルに本社を置くオンライン旅行会社「Tripbtoz」では、当APIを導入後、検索から予約までのコンバージョン率が20%向上したという実績がある。
パートナー向け広告ソリューションも拡充
エクスペディア・グループのフルファネル型トラベル・メディアネットワークは、自社サイトや外部サイト、B2Bネットワークを通じた幅広いリーチを実現している。
新たに試験運用を開始する「Lodging Sponsored Listings API」は、B2Bパートナーが自社のウェブサイトやアプリ、プラットフォーム上で、エクスペディア・グループ提供のスポンサー付き宿泊リストを掲載できるAPIだ。これにより、パートナーはトラフィックを収益化しつつ、旅行者に最適な宿泊施設を提案できる。また、宿泊施設の広告主にとっては新たな顧客層へのリーチが可能となる。現在はベータ版をテスト中である。
経営幹部が語る新ツール群の意義
エクスペディア・グループ B2B部門プレジデントのアルフォンソ・パレデスは、「当社は、パートナーの”ワンストップショップ”を目指し、信頼性と拡張性に優れたスマートなツールを提供しています。AIによる旅程プランニングや広告ソリューションを通じて、パートナーの成長と競争力強化を支援します」とコメントしている。
また、B2B部門チーフ・プロダクト&テクノロジー・オフィサーのカレン・ボルダは、「新しいツール群により、旅行者のインスピレーションを行動につなげ、パートナーの収益化を促進します。スピードと知見で、進化する業界における成長を後押しします」と述べている。




