
山梨県は10月10日、ムスリムやヴィーガンなど多様な食文化に対応する「やまなしフードダイバーシティ認証」の令和7年度認証事業者の募集を開始した。全国都道府県で初となる同制度は、昨年12月にスタート。初年度は31事業者が認証を取得し、県内飲食店や土産品製造業者への浸透が進む。
独自基準で食の多様性に対応
同認証制度は、食文化や習慣の異なる外国人旅行者が安心して滞在できる観光地づくりを目的に創設された。県独自の認証基準を満たした商品やメニューに認証マークを付与する仕組みだ。
認証マークは「ムスリム対応」「ヴィーガン対応」「ベジタリアン対応」の3種類。国際認証団体の認証取得事業者には星付きのマークが与えられる。星なしの基準では、ムスリム対応は「豚肉及び豚由来成分・アルコール成分が含まれていないこと」、ヴィーガン対応は「肉・魚・乳製品・卵・蜂蜜など動物由来成分が含まれていないこと」、ベジタリアン対応は「肉・魚など動物性成分が含まれていないこと」が条件となる。
専門家による無料支援体制も完備
対象は山梨県内に本社・事業所、工場を有する土産品製造事業者や飲食事業者。認証取得を希望する事業者は専門家による伴走支援を受けられ、認証取得・支援に要する費用はすべて無料という。
認証取得事業者は、厨房・製造工程におけるコンタミネーション(混在)の明記や英語による情報開示が求められる。また、食物アレルゲン表示(ピクトグラム)も必須要件だ。
なお、同県では制度の普及に向けたセミナーを11月6日に開催予定。詳細は別途プレスリリースで案内するとしている。
認証ブランドとして商標登録も完了
「やまなしフードダイバーシティ認証」および英語版の「YAMANASHI Food Diversity Certified」はともに令和7年9月24日付で山梨県の商標として登録された。登録番号はそれぞれ6970322と6970323だ。
認証申請は専用サイト(https://jarc-ic.com/yamanashi_food-d)から行える。令和6年度の認証取得事業者一覧は県公式サイト(https://www.pref.yamanashi.jp/kankou-sk/yfdc.html)で公開中。
県観光文化・スポーツ部は「多様な食文化を持つ外国人旅行者の受け入れ環境を整備し、インバウンド観光の促進につなげたい」としている。認証マークの活用で、食の多様性に対応した山梨観光の姿が見えてくる
【制度概要】
- 認証マーク(3種)
ムスリム対応
ヴィーガン対応
ベジタリアン対応
- 独自基準のポイント
【星付き】国際認証団体の認証を取得している事業者
【星なし】
- ムスリム : 豚肉及び豚由来成分・アルコール成分が含まれていないこと
- ヴィーガン : 肉・魚・乳製品・卵・蜂蜜など動物由来成分が含まれていないこと
- ベジタリアン : 肉・魚など動物性成分が含まれていないこと
- 厨房・製造工程におけるコンタミネーション(混在)明記
- 英語による情報開示
【共通】
- 食物アレルゲン表示(ピクトグラム)
ピクトグラムの一例
- 対象事業者
山梨県内に本社・事業所、工場を有する土産品製造事業者、飲食事業者など
- 支援体制
専門家による伴走支援を受けられ、認証取得・支援に要する費用はすべて無料