アゴダとGSTC、日本の持続可能な観光に向け初の共同研修


 アゴダは10月2日、グローバル・サステナブル・ツーリズム協議会(GSTC)と共同で、9月29日〜30日に東京・虎ノ門ヒルズフォーラムにてホテル業界関係者向けのサステナビリティ研修を実施したと発表した。日本初となる対面型研修には国内外の主要ホテルブランドの経営幹部が参加。持続可能な観光推進に向けた業界連携の新たな一歩となった。

世界標準のサステナビリティ指標を活用

 研修では、国際的に評価されている「GSTC観光産業向け-ホテル・宿泊施設向けスタンダード」をチェックリストとして活用。先進的な取り組みや実際のホテル事例をもとに議論が展開された。参加者らは自社の現状を評価しながら、短期・中期・長期で実現可能なサステナビリティ目標を設定する機会を得た。

 アゴダと GSTCはこれまでに、サステナブル・ツーリズム・アカデミーの一環として、韓国、シンガポール、タイを含む9市場で延べ500名以上の業界関係者を対象に対面型研修を実施してきた。今回の東京開催には、三井不動産、東急ホテルズ、センタラホテルズ&リゾーツ、藤田観光など国内外のホテルブランドの経営幹部が参加した。

業界リーダーによる持続可能な観光への期待

 中林さとみAgoda International Japanカントリーディレクターは「アゴダがホテルパートナーの皆さま、そしてGSTCとともに、日本で初めてとなる対面型のサステナビリティ研修を実施できたことを大変光栄に思います。本取り組みは小さな一歩ではありますが、持続可能な観光を広げていくという共通のビジョンに合致しています。適切な知識とツールを共有することで、この進化をさらに加速させたいと考えています」とコメントした。

 GSTCファイナンスディレクターの貝和慧美氏は「観光におけるサステナビリティは、業界のリーダーたちが共通の目的のもとに力を合わせることで大きく前進します。アゴダが日本のホテル関係者を支援する姿勢は、スキル向上にとどまらず、文化遺産を守り、地域社会を尊重し、自然を次世代に引き継ぐ観光産業の育成につながるものです。アゴダと共に、日本の観光の未来をより責任ある、そして強靭なものへと導いていけると確信しています」と述べた。

両社の連携による観光業界の変革

GSTCは2007年に設立された団体で、持続可能な観光におけるグローバルスタンダードの策定・管理を行っている。レインフォレスト・アライアンス、国連環境計画、国連財団、国連世界観光機関など32のパートナー団体からなる連合体として、持続可能な観光慣行の理解促進と普及に取り組んでいる。

 一方のアゴダは、世界600万軒以上のホテル・宿泊施設を扱うデジタル旅行プラットフォーム。Booking Holdings傘下の企業として、シンガポールを本社に世界27カ所の拠点で7,000名以上のスタッフが業務に従事している。

 今回の共同研修は、観光業界におけるサステナビリティへの意識向上と実践的なノウハウの共有を目指す取り組み。両社の連携により、日本の観光産業における持続可能性の基盤構築に寄与することが期待される。業界を代表する企業と国際的な基準策定団体の協力は、日本の観光業界にとって重要な転換点になる可能性を秘めている。日本の観光業界が国際基準に基づく持続可能な発展を目指す流れは、今後さらに加速していくことだろう。

 
 
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