
関係者が温泉地の魅力をアピール
豊富な温泉の魅力前面に
和歌山県観光連盟と同県東京観光センターは6日、和歌山の「温泉」などの魅力を紹介するファンミーティングを東京都内で開いた。宮﨑泉県知事をはじめ、わかやま12湯推進協議会、県にゆかりのあるゲストが集い、温泉の”聖地”としての県の魅力を在京メディアにアピールした。
関係者が温泉地の魅力をアピール(前列中央=宮﨑知事)
県は2023年から、「聖地リゾート! 和歌山」をキャッチフレーズに観光プロモーションを強化。県独自の魅力を「驚き」として表現するためビックリマークを使用し、その数や色に県の多様な魅力を込めた。その象徴の一つに温泉を位置付け、温泉の”聖地”としての発信にも磨きをかける。
聖地リゾート!和歌山のロゴ
冒頭、主催者あいさつした同連盟の赤坂武彦会長(県地域振興部長)は、「和歌山にはさまざまな魅力があるが、その原点は『温泉』と『食』である」と強調。「国慶節の影響で中国から南紀勝浦温泉への訪問客が増えている」と現状に触れ、観光資源としての可能性に期待を寄せた。
赤坂会長
温泉をテーマにしたクロストークでは、温泉ライターの高橋一喜氏、医師で慶應義塾大学大学院特任教授の稲葉俊郎氏らが登壇した。高橋氏は、南紀白浜温泉に魅了されたことをきっかけに日本全国3016湯を巡った体験談を紹介。和歌山の温泉地については「ロケーションが魅力。海の温泉地(南紀白浜、南紀勝浦温泉等)と山の温泉地(湯の峰、龍神温泉等)の両方が存在するのは全国的にも珍しい」と説明。また、川底から絶えず湯が湧き出す川湯温泉など、和歌山のユニークな温泉地も紹介し、会場の関心を集めた。
医療と芸術、福祉、湯治など他分野の架け橋となり、ウェルビーイングに関する研究に取り組む稲葉氏は、「湯治は未来の医療である」との持論を展開。「多くの人が知らないのが『温泉処方』。実際にはあまり活用されておらず、リハビリ設備の整った大規模温泉施設しか指定されていない。和歌山にも良い温泉資源がある中で、指定されているのは1カ所のみ」と現状を説明し、さらなる活用の余地があることを訴えた。
トークセッションの様子(左から高橋氏、リクルートじゃらんリサーチセンター主席研究員の森戸香奈子氏、稲葉氏)
協同組合和歌山県旅行業協会、和歌山県旅館ホテル生活衛生同業組合(和歌山旅組)などが中心となり発足、県の温泉地の魅力発信に努める「わかやま12湯推進協議会」は、熊野本宮大社での献湯祭や県内温泉地でのサミット開催などの活動を紹介。青木査稚子会長(協同組合和歌山県旅行業協会会長、トラスト旅行代表)らが、「和歌山は508もの源泉を有する」と、12湯にとどまらない豊富な温泉資源をアピールした。
わかやま12湯推進協議会の皆さん(一番左=青木会長)
県観光連盟副会長で和歌山旅組理事長の利光伸彦氏(加太淡島温泉・大阪屋ひいなの湯)は、和歌山の温泉の豊富な湧出量にも言及した上で、「温泉文化」のユネスコ無形文化遺産登録実現に向けた署名活動への協力を呼び掛けた。
利光氏
会場では、「食」の魅力もアピール。宮﨑知事は、世界農業遺産に登録されている「みなべ・田辺の梅システム」に続き、今年8月には「有田・下津地域の石積み階段園みかんシステム」が新たに登録されたことを紹介。知事らによる「食」をテーマにしたトークセッションが行われたほか、温泉水で炊いた熊野米のリゾットやもちガツオのカルパッチョなど、県産食材を生かしたイタリアン料理がふるまわれた。
宮﨑知事