【専門紙誌5社共同企画】各紙誌の視点で見る「若者による地方創生」 塗料報知 アートで地方創生を 多久市・日本ペイント・たく21


協定を締結した3者。左から藤原本部長、横尾市長、真崎代表理事

 佐賀県多久市、日本ペイント、一般社団法人たく21は2024年11月25日、「アートを活用したまちづくりにおける地方創生連携協定」を締結した。

 ウォールアートを中心とした地域活性化、教育支援、そして市民の生活に潤いをもたらす空間づくりを目的としたこの協定は、官民連携による新たな地方創生モデルとして注目を集めている。

 多久市では2015年より、中心市街地に壁画やシャッターアートを展開する「多久市ウォールアートプロジェクト」を推進してきた。

 市内外から多様なアーティストを招聘(しょうへい)し、誰でも自由に観覧できるパブリックアートを創出。これまでに59作品が制作され、2024年10月時点では常時56作品が市内に点在している。老朽化した建物の景観改善や若者の定住促進、観光資源としての活用など、アートが果たす役割は多岐にわたる。

 今回の協定締結にあたり、多久市長の横尾俊彦氏は「カラフルでデザイン性のある空間が生活の潤いとなり、まちが華やかで明るくなる。日本ペイントさんの知見や創意工夫を生かし、アート作品のあるまちとして情報発信力を高め、関係人口の増加にもつなげたい」と語った。

 たく21代表理事の真崎俊夫氏は、「これまではJR多久駅周辺でにぎわい創出を目指してきたが、今年は国民スポーツ大会を機に中多久駅前にもアートを展開。高校生や地域住民から『駅前が明るくなった』との声もいただいている。今後もアートを通じてにぎやかで明るいまちづくりを目指したい」と述べた。

 たく21は、多久市まちづくり交流センター「あいぱれっと」の管理運営を担う一般社団法人で、まちづくりに関する調査研究やイベント企画、情報発信、人材育成、施設運営、商品開発・販売、飲食店経営など多岐にわたる活動を展開している。地域のにぎわい創出を目的に、行政や民間企業、住民と連携しながら、持続可能なまちづくりを推進している。

 日本ペイントでは、2017年からCSR活動「HAPPY PAINT PROJECT」を展開しており、塗料を通じて社会に幸せを届けることをコンセプトに、2025年6月末時点で累計171回、約1万900人が参加している。今回の協定では、同社が塗料製品を提供し、多久市内のアート制作を支援する。

 同社マーケティング本部長の藤原三也氏は、「日本で最も古い塗料メーカーとして、塗料の『美観・保護・機能』を広めてきた。今後はアートや教育支援などを通じて、積極的に社会貢献していきたい」と意気込みを語った。

 実際に制作された作品には、地域の個性とアーティストの感性が融合したものが並ぶ。

 中多久病院の駐車場や社会復帰支援施設「すずかけ荘」には、sense + kazによる「The Blue Love」が描かれ、柔らかな色彩と抽象的なモチーフが訪れる人々の心を和ませている。

 旧大洋ストアの外壁には、篠崎理一郎による力強い筆致の作品が施され、建物の存在感を一新した。

 中多久駅前では、MAJIOとemi tanajiのコラボレーションによる作品が複数展開されている。駐輪場、広場、公衆トイレといった日常空間にアートが溶け込み、通行人の目を楽しませている。    

 (塗料報知)


協定を締結した3者。左から藤原本部長、横尾市長、真崎代表理事

 
 
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