【交通トレンド分析305】地方のバスでのクレジットカードタッチ決済およびPayPayは便利 鳥海高太朗


鳥海氏

 先日、友人とともに群馬県の草津温泉へ出かけ、帰りは友人の車でドライブしながら北軽井沢まで移動し、私はバスで軽井沢駅へ向かった。前日の午後に財布を見ると千円札が入っておらず、バスでは現金しか使えないことも想定して、コンビニエンスストアで買い物した際に久しぶりにキャッシュレスではなく現金(1万円札)で支払い、千円札を無事に確保していたが、そんな心配は不要だった。北軽井沢駅でバスに乗ろうとした際、クレジットカードのタッチ決済、さらにはPayPay決済にも対応していることが分かった。

 草津温泉から北軽井沢経由で軽井沢駅までのバスもあるが、今回は北軽井沢から乗車したが、車両も観光バスタイプで快適だった。北軽井沢でバスに乗車した際にはガラガラだったが、途中の白糸の滝では多くの人が乗車し、最終的には8割くらいの乗車率だった。

 さて本題に入るが、降りるときにバス代を支払うが、観光客の利用が中心だったこともあり、現金よりも現金以外の利用者の方が多く、私が見た感じではあるが、キャッシュレス決済のうち、クレジットカードのタッチ決済とPayPay決済が半々ほどであった。

 クレジットカードのタッチ決済の場合は運転手に整理券を渡し(私は始発からの乗車だったので整理券はなし)、運転手が端末で操作し、金額が表示された段階でタッチをする方式で決済できた。またPayPay決済の場合は運賃箱にあるPayPayのQRコードを読み取り、金額を入れて決済する仕組みになっていた。地方でも交通系ICカードが使えればもっと便利だという声もあるが、導入費用やメンテナンス費用、さらには機器更新費用などが高額で、クレジットカードのタッチ決済やPayPayの方が導入費用や運用コストなども含めて割安であり、キャッシュレス決済を導入したいが、経営が厳しい地方の公共交通機関において導入するケースが増えている。

 課題としては、運転手が端末操作などをする必要があり、決済までに少し時間がかかる点であり、混雑時においては、たくさんの人が一気に降りる場合には時間を要するケースもあるが、それでも現金で支払うことを考えれば、両替する必要がなく、キャッシュレスで決済できるのは利用者にとって非常にありがたいことだ。交通系ICカード決済は、支払いに要する時間も含めて最も便利であるが、外国人観光客においてはタッチ決済、日常でPayPayを利用している人はPayPay決済で特に問題なく、何よりもいかなる形でもキャッシュレス決済を導入していることが重要だと感じた路線バス旅となった。

(航空・旅行アナリスト、帝京大学非常勤講師)

 
 
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