
左から和田社長、堀江取締役
新潟空港を拠点とする地域航空会社のトキエア(和田直希社長)は10月6日、東京都内で記者会見を行い、新たな経営陣と今後の戦略を発表した。取締役に実業家の堀江貴文氏を迎え、「世界をシームレスにする」とのビジョンのもと、路線展開に加え、➀法人向けチャーターアプリの提供➁新潟を起点とするスーパーアプリ開発➂小型航空機(LSA)開発の実証実験―の事業に注力する。
現在トキエアは新潟・名古屋・神戸・札幌を結ぶ定期便を就航。今後も、燃料費やCO2排出を抑えられるATR72型プロペラ機などを活用して地方路線の運航を強化していくとした。加えて、法人向けチャーターアプリ「SORA PASS」の提供で、地方間を自由に結ぶ新たな空のモビリティの実現を目指すという。提供に伴い、先着100社に1区間100万円でチャーター便を運航するキャンペーンの申し込み受け付けを6日に開始した。オプションとして、機体ラッピング広告も100万円で付けられる。
新潟を起点とするスーパーアプリ「TOKILAND」は「新潟の暮らしを、日本一便利に。」をコンセプトに掲げ、開発を進めていくとした。1次交通や2次交通、病院やレストランなどの予約、決済やマイレージ、ポイント連携にわたるまで、新潟県民の生活インフラをワンストップで統合することを目指すという。アプリの構想について、和田社長は「EC機能も追加して、トランザクションを大きくしていきたい。いずれは各地域で連携できるようにしていくのが大きな目標」と今後の展望を語った。
新潟県の燕三条エリアを拠点にLSA開発実証実験に乗り出すことも発表。日本の航空産業の再興を目指すとともに、拠点エリアを中心とした新たな地域産業の創出にもつなげたい考えだ。将来的にはアメリカ市場での展開を視野に入れている。
取締役就任に際して堀江氏は「地方にはブランディング次第で宝になる魅力的なコンテンツがたくさんある」とし、日本の地方空港もその一つだとコメント。和田社長は「トキエアはエンターテインメントとテクノロジーを融合させ、“航空産業の民主化”を目指す」と述べた。
左から和田社長、堀江取締役