墨田区、住民参加型メタ観光ワークショップを開催


 一般社団法人メタ観光推進機構は9月22日、墨田区の令和7年度観光施策の一環として「墨田区メタ観光ワークショップ」を開催すると発表した。このワークショップは地域の魅力を住民と専門家の視点から再発見することを目的とする。既存の「すみだメタ観光マップ」の内容拡充を図る取り組み。

2種類のワークショップを計3回実施

 今回のワークショップは「わたしの名所、あなたの名所」と「メタ観光スタディーズ」の2種類。いずれも地域の多様な魅力を発掘する内容だ。「メタ観光スタディーズ」は計2回の開催を予定している。

 「わたしの名所、あなたの名所」は11月2日に開催。参加者が自らのお気に入りの場所を紹介するワークショップだ。すみだ生涯学習センターを会場に、区内在住・在勤・在学者および墨田区ファンを対象とする。参加者は自身で撮影したお気に入りの場所の写真データを持参する必要がある。定員は30名。応募者多数の場合は抽選となる。

 「メタ観光スタディーズ」は10月25日と11月15日の2回開催。第1回は「路上園芸 ☓ 旧町名 x 文字観察」をテーマに村田あやこ氏(路上園芸)、102so氏(旧町名)、藤本”ANI”健太郎氏と松村大輔氏(文字観察)が講師を務める。第2回は「ナイトタイム:ご近所闇 ☓ 照明」をテーマに、中野純氏(ご近所闇)と東悟子氏(照明探偵団事務局長)が講師として参加する。

 いずれのワークショップも参加費は無料。申込締切は第1回が10月15日、第2回が11月5日、「わたしの名所、あなたの名所」が10月22日。専用ウェブサイトから申し込む方式だ。

既存マップの拡充を目指す

 墨田区では2021年に「すみだメタ観光祭」を開催し、区内の多様な魅力を掲載した「すみだメタ観光マップ」を作成した。今回のワークショップではさらに新たな視点から墨田区の魅力を発掘し、このマップの内容を拡充する狙いがある。

 メタ観光推進機構はこれまで墨田区や江東区、臨海副都心エリア、奈良県、長崎県、山口県などの地域でワークショップや観光マップの制作、シンポジウムなどを実施してきた。今回の墨田区での取り組みは、既存マップの拡充という新たな試みとなる。

 また、今回専門家として参加する「文字観察」の松村大輔氏と藤本”ANI”健太郎氏、「ご近所闇」の中野純氏、「照明」の東悟子氏は、メタ観光ワークショップに初めて参加する。

メタ観光とは

 メタ観光はこれまでの「観光」の概念にとらわれず、多様化する人々のニーズに対応した新しい観光の考え方だ。「アニメ聖地」「写真映え」「地形」など、地域に潜在する多様な魅力を観光資源として多層レイヤーのオンライン地図「メタ観光マップ」に可視化することで、地域観光の活性化を目指す。

 一般社団法人メタ観光推進機構は2021年1月に活動を開始。新しい観光の概念である「メタ観光」を推進するため、調査研究、助成事業、シンポジウムによる普及活動のほか、地域でのメタ観光実践事業を行っている。

■ワークショップ詳細

①「わたしの名所、あなたの名所」

  • 地元の隠れたお気に入りの場所を紹介するワークショップ
  • 開催日時:2025年11月2日(日)13:00~16:30 (15分前受付開始)
  • 開催場所:すみだ生涯学習センター 研修室1(東京都墨田区東向島2丁目38番7号)
  • 参加者: 区内在住・在勤・在学の方、または墨田区のファンの方
  • 定員:30名(応募者多数の場合は抽選)
  • 参加費:無料
  • 持ち物:ご自身で撮影したお気に入りの場所の写真データ
  • 申込方法:https://metatourism.jp/sumida
  • 申込締切日:2025年10月22日(水)
  • 当選者:当落のお知らせは、申込時に入力したメールアドレス宛にご連絡します
  • 問合せ先:墨田区メタ観光ワークショップ事務局 info@sumida.metatourism.jp

②「メタ観光スタディーズ」

  • 特定のテーマについて専門家の視点を学び、地域の魅力を発見するワークショップ
  • 開催日時:
    • 第1回:2025年10月25日(土)13:00~16:30 (15分前受付開始)
    • 第2回:2025年11月15日(土)17:30~21:00 (15分前受付開始)
  • 開催場所:すみだ生涯学習センター 研修室1(東京都墨田区東向島2丁目38番7号)
  • 参加者:区内在住・在勤・在学の方、または墨田区のファンの方
  • 定員:各30名(応募者多数の場合は抽選)
  • 参加費:無料
  • 持ち物:街歩きにて地域の魅力を撮影します。スマートフォン等をご持参ください。
  • テーマ及び講師(敬称略):
    • 第1回テーマ「路上園芸 ☓ 旧町名 x 文字観察」
      • 村田あやこ(路上園芸)、102so(旧町名)、藤本”ANI”健太郎+松村大輔(文字観察)
    • 第2回テーマ「ナイトタイム:ご近所闇 ☓ 照明」
      • 中野純(ご近所闇)、東悟子/照明探偵団事務局長(照明)
  • 申込方法:https://metatourism.jp/sumida
  • 申込締切日:第1回2025年10月15日(水)、第2回2025年11月5日(水)
  • 当選者:当落のお知らせは、申込時に入力したメールアドレス宛にご連絡します

    講師陣プロフィール

    村田あやこ(むらた・あやこ)

    路上園芸鑑賞家・ライター。一人学会「路上園芸学会」を名乗り、軒先や隙間で威勢よくはみだす誰かの園芸や植物を愛でる。横浜国立大学大学院環境情報学府博士課程後期に在籍し、植物生態学を研究中。著書に『たのしい路上園芸観察』(グラフィック社)、『はみだす緑 黄昏の路上園芸』(雷鳥社)、『緑をみる人』(雷鳥社)。「散歩の達人」などで連載中。「ボタニカルを愛でたい」(フジテレビ)に出演中。お散歩ユニット「SABOTENS」としても活動。

    102so(じゅうにそう)

    住居表示の実施で概ね昭和40年前後に消滅した町名=「旧町名」をさがす活動を平成18年に開始、以後長年に渡り街中の旧町名をさがし続けている。「旧町名をもっと身近にもっと気軽に」をテーマに、発見した旧町名の紹介ブログ「旧町名をさがす会」を平成22年に開設、令和5年には著書「旧町名さがしてみましたin東京」(二見書房)を出版するなど、娯楽としての旧町名を提案している。名前は西新宿の旧町名・十二社から。

    藤本 “ANI” 健太郎(ふじもと・あに・けんたろう)

    1973年 北海道帯広生まれ。グラフィックデザイナー。路上観察趣味者。町歩き中に出会ったおもしろい文字、味わい深い文字、または謎めいた文字などに対して、妄想の翼を広げに広げた、タイポグラフィ・エッセイシリーズ『タイポさんぽ』(誠文堂新光社刊)著者。

    松村大輔(まつむら・だいすけ)

    1973年生まれ。ブックデザイン・編集。広告制作会社などを経て、出版社パイ インターナショナル(PIE Graphics)に所属。著書に『まちの文字図鑑 よきかなひらがな』『まちの文字図鑑 ヨキカナカタカナ』(大福書林)など。

    中野純(なかの・じゅん)

    体験作家、闇歩きガイド。1961年東京生まれ。闇や月に関わる多様な著作を発表しつつ、各地の夜を歩くことでその地域の魅力を発掘するツアーや、闇遊び・月遊びのワークショップを数多く実施。主著に『ナイトハイクのススメ』(ヤマケイ新書)、『「闇学」入門』(集英社新書)、『東京「夜」散歩』(講談社)、共著に『夜旅』(河出書房新社、写真/中里和人)など。私設図書博物館「少女まんが館」共同館主。東京造形大学非常勤講師。

    東悟子/照明探偵団事務局長(ひがし・のりこ)

    熊本県生まれ。カリフォルニア大学ロサンゼルス校東アジア学卒業。LPA代表面出の秘書として業務をサポートする傍ら、照明探偵団の事務局長も担当。国内外で行われるさまざまな照明探偵団活動を企画運営し、照明デザインや照明文化が社会に広く認知されるよう積極的に活動を行っている。また広報も担当しており、LPAのプロジェクトや探偵団活動のプロモーションも行っている。

     

 
 
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