ツーリズムEXPOジャパン2025、目標上回る12万6900人が来場 海外旅行や中部9県の魅力を発信


閉会式の様子

閉会式の様子

 “世界最大級の旅の祭典”ツーリズムEXPOジャパン2025愛知・中部北陸(主催=日本観光振興協会〈日観振〉、日本旅行業協会〈JATA〉、日本政府観光局〈JNTO〉)が9月25~28日、愛知県常滑市の中部国際空港に隣接するAichi Sky Expo(愛知県国際展示場)で開かれた。同県での開催は初で、北陸地方を含む中部9県の共同ブースが出展。世界7カ国の観光大臣らが出席した観光大臣会合や、JNTO主催の国内観光関係団体などと海外の旅行会社による商談会「VISIT JAPAN トラベル&MICEマート」も合同開催され、4日間で目標の10万人を超す延べ12万6900人(速報値)が来場した。

業界日は3万8400人、一般日は8万8500人が来場

 今回のTEJは、中部・北陸の魅力発信、中部国際空港のさらなる国際化、北陸地域の復興支援、B to B強化による業界の活性化を目的に開催。世界から82の国・地域、国内から45都道府県が参加。25、26日の業界日は3万8400人、27、28日の一般日は8万8500人が来場した。

 出展企業・団体数は1350団体で、出展小間数は目標の1100小間を上回る1474小間となった(うち、約3割が海外)。「休み方改革」などの各種テーマ別シンポジウムやセミナーなども多数実施された。商談会もセラー826社、バイヤー703人が参加。商談件数は6071件となった。

 25日の開会式では、日観振の菰田正信会長、JATAの髙橋広行会長、JNTOの蒲生篤実理事長の主催3団体のトップのほか、来賓として国土交通省の吉井章大臣政務官、観光庁の村田茂樹長官、世界旅行ツーリズム協議会(WTTC)アジアアジア地域部長のサラ・ワン氏、UNツーリズムのエグゼクティブ・ディレクター、ゾリッツァ・ウロセヴィック氏らが出席した。

 冒頭、主催者あいさつで登壇した日観振の菰田会長は、回復基調にある国内旅行や好調な訪日旅行に触れつつ、低調なアウトバウンドに言及した。「海外旅行の復活、相互の交流なくしては、観光業界のさらなる持続的な発展は期待できない。国内はもちろん、海外へ旅行することの楽しさを体感していただくことで、アウトバウンド復活の契機にしていきたい」とあいさつした。

 来賓あいさつした国交省の吉井大臣政務官は、訪日外国人旅行者数が今年8月時点で2800万人を超えたことに触れ、「観光は力強い成長軌道に乗っている。国交省も、観光の恩恵が全国津々浦々に行き渡り、自然文化の保全と観光との両立が図られるよう、地方への誘客促進とオーバーツーリズムの未然防止抑制に取り組む」と述べた。

 UNツーリズムのエグゼクティブ・ディレクター、ゾリッツァ・ウロセヴィック氏は「(旅行者数は)コロナ禍以降非常に回復しており、15億人の人々が世界中を旅している。自然環境の保全と持続可能な観光を推進していく必要がある」とコメント。訪日客が都市圏から地方に足を伸ばしている傾向に言及し、TEJは訪日地方誘客に貢献するものだと開催の意義を強調した。

 このほか、開会式では石破茂首相によるビデオメッセージも披露された。石破首相は「地方創生2.0」に触れ、観光が国の重要な基幹産業であると強調。能登半島地震からの復興、交流事業の創出についても取り組んでいくとした。

 続く主催者会見では、主催3団体らが開催概要や見どころを説明。会見には、今回のエキスポのスペシャルサポーターで、愛知県瀬戸市出身の俳優・瀬戸朝香さんも登壇。自身の海外一人旅のエピソードを紹介し、さまざまな発見があったとコメントした。

開会式に行われたテープカットの様子
開会式に行われたテープカットの様子

スタジオジブリ副社長が講演、大臣会合には吉井大臣政務官が出席

 会期中は、ガストロノミー、インフラ、歴史・文化などをテーマにした各種ツーリズムなど、多彩なブースが出展。中部9県の共同ブースも出展し、各県が自然や食、歴史などの魅力をPRした。商談会「VISIT JAPANトラベル&MICEマート」も33カ国・地域から海外バイヤー約280社が参加し、6千件を超える商談が行われた。

 基調講演には、スタジオジブリ副社長の中島清文氏が登壇し、同社のこれまでの歴史などを紹介。2022年に愛知県長久手市に開園した「ジブリパーク」の開園に至った背景や、園内各エリアのコンセプトなどについて説明した。

中島清文副社長がスタジオジブリの歩みとジブリパークを紹介した
中島清文副社長がスタジオジブリの歩みとジブリパークを紹介した

 観光大臣会合には、七つの国の観光相などと四つの国際機関の幹部が登壇。持続可能な観光や観光DXなどをテーマに、各国代表が自国での取り組みを紹介した。ホスト国の日本からは、国交省の吉井大臣政務官が出席。愛媛県で取り組まれている城下町や古民家を活用した観光街づくりや、神奈川県箱根町で行われている渋滞・混雑情報の配信、秋田県酒田市が導入した日観振のデジタルプラットフォーム活用の事例などを紹介した。

観光大臣会合の様子
観光大臣会合の様子

初日には二階俊博氏も登壇 双方向の交流を訴え

 25日夜には業界関係者参集のもとウエルカムレセプションが開かれた。

 冒頭に登壇したJNTOの蒲生理事長は、「TEJはわれわれ観光業界の博覧会だ」とコメントし、積極的な交流や情報交換を呼び掛けた。国交省の吉井大臣政務官、伊藤忠彦復興大臣も登壇し、TEJ2025の開催を祝った。

 レセプションでは、菅義偉元首相のビデオメッセージが披露されたほか、国土強靭化研究所の二階俊博会長も登壇。菅氏は、「本年の外国人旅行者数は最速で2千万人を超えた。観光はわが国の成長戦略の柱。今後とも各地の観光振興に全力で取り組んでいく」と強調。二階氏は、「観光はのこぎりのようにさまざまな国・地域を行ったり来たりすることで楽しむものだ」とコメントし、双方向での海外交流の重要性を訴えた。

ウェルカムレセプションでの記念撮影
ウェルカムレセプションでの記念撮影

 28日の閉会式でJATAの髙橋会長は、開催に協力した関係者、来場者に謝意を述べるとともに、「観光を通じて日本の国をさらに盛り上げたい」と、事業のさらなる推進へ意欲を示した。

 来場者によるブースの人気投票「ブースグランプリ」の結果発表と表彰式を行い、最高賞のグランプリを業界日の投票で香港政府観光局、一般日の投票で北海道観光機構・北海道旅客鉄道・北海道エアポートが受賞した。

 来年のツーリズムEXPOジャパンは、2026年9月24日~27日、東京ビッグサイト(東京都江東区)で開催する。

閉会式の様子
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