
観光経済新聞社は25日、主催する第39回「にっぽんの温泉100選」の中間集計結果を発表した。中間段階の1位は前回まで22年連続1位の草津(群馬県)。2位は前回3位の下呂(岐阜県)、3位は同2位の道後(愛媛県)が入った。上位の顔ぶれは前回とほぼ変わらないが、得票数は僅差で、今後の投票いかんで順位が大きく入れ替わる可能性がある。投票は10月末に締め切り、最終結果は本紙の今年最終号(12月15日付)で発表する。
にっぽんの温泉100選は、観光経済新聞社が主催、観光関係8団体と観光庁、環境省が後援する(一部予定)、旅行会社、OTA(オンライン・トラベル・エージェント)、運輸機関の社員らによる温泉地の人気投票。「旅行のプロ」の投票を通して消費者に支持されている温泉地を探ることと、その活性化を目的に、本社の創刊1500号記念企画として1987年に始まった。
中間段階の1位は2003年度から昨年度まで22年連続でトップの座を維持する草津。「泉質主義」をキャッチフレーズにした質の高い温泉や、「湯畑」を中心とした街並みに加え、新たな街づくりを絶えず進める先進性が評価されるなど、今回も多くの票を集めた。
中間1位の草津温泉(湯畑=写真提供:草津温泉観光協会)
2位は前回3位の下呂、3位は同2位の道後が入った。
これらトップ3は22年度から若干の順位の変動があるものの、顔触れは変わらない。
トップ10を見ると、前回の最終順位で23位だったあわら(福井県)が6位に躍進しているのが目立つ。
昨年1月1日の能登半島地震で大きな被害を受けた和倉(石川県)は14位にランクインした。多くの旅館が休業を余儀なくされる中で、前回も13位と上位にランクされている。根強い人気とともに、早期の復興を期待する応援票も含まれるとみられる。
このほか前回から大きく上昇したのがこんぴら(香川県、16位、前回69位)、酸ヶ湯(青森県、25位、同45位)、祖谷・新祖谷(徳島県、42位、同85位)など(祖谷・新祖谷は前回、祖谷と新祖谷を別に集計)。
前回の圏外から100選入りしたのは松島(宮城県、65位)、遠刈田(同、71位)など12温泉地。
投票は本社から大手・中堅の旅行会社、OTAなどに投票はがきを配布し、7月1日から10月31日までの4カ月間、受け付けている。1枚の投票はがきに自身が薦める温泉地を5カ所記入してもらい、本社が集計の後、観光関係8団体などで構成する「にっぽんの温泉100選実行委員会」の承認を得て、最終順位を決定している。投票はがきのほか、本社のホームページからも投票を受け付けている。
温泉100選と同時に、温泉地の宿の人気投票「人気温泉旅館ホテル250選」も実施。温泉100選の上位表彰と250選の認定証授与式を毎年1月、東京都内で開催している。
【観光経済新聞 編集長 森田淳】