【旅館ホテルのおもてなし 96】旅館ホテルのこれからの役割(3)大谷 晃


 ●自然から学び、感動を共有する
 旅館ホテルのある場所の多くは人里離れたところや海辺です。なんといってもそこには広々とした土地があります。それも十分、お客さまに楽しんでいただける体験ポイントになります。

 例えばたき火。あるいはいろりを囲んで語り合う。このような火をたく行為は都会ではなかなかかなえられませんから、お客さまは原点に帰ったような気分になります。海もそうです。早朝からの地引き網体験など、めったにない機会ですから喜ばれます。

 また、子供にとっては夏休みの体験学習の場にもなります。火を一からおこしたり、まき木をとってきたり、木材で遊具を作ったり、たこ揚げをしたりなど。自然の中では思いきり大声を出せますし、なによりのびのびと遊べます。大人であれば子供の頃に帰った気分になれ、リフレッシュできます。

 まだまだ思いつくことはたくさんあります。ろくろから回す陶芸、ガラス工芸、紙すきなどを体験できたり、三味線や太鼓の音に触れたり、「大人の修学旅行」と銘打って、学生の頃に訪れた場所をグループなどで再び訪れたりなど、いろいろなアイデアがまだまだ眠っています。最近はやりのテレビや映画のロケ地を巡る「聖地巡礼」、パワースポット巡りも人気を呼ぶはずです。

 若い人からお年寄りまで、幅広い年齢層の顧客を新たに開拓でき、その点でも大きなメリットがあるといえます。
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 ■日本ホテルレストラン経営研究所=ホスピタリティ業界(旅館、ホテル、レストラン、ブライダル、観光、介護)の人材育成と国際交流へ貢献することを目的とするNPO法人。同研究所の大谷晃理事長、鈴木はるみ上席研究員が監修する書籍「『旅館ホテル』のおもてなし」が星雲社から発売中。問い合わせは同社TEL03(3868)3275。         =隔週掲載

 
 
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