
眼下に小樽運河が見える客室
通信販売大手のベルーナ(本社=埼玉県上尾市)はこのほど、北海道小樽市の運河地区に宿泊特化型のデザイナーズホテル「小樽グランベルホテル」を開業した。
観光客に人気の「小樽運河」に面した場所で、地上6階建て、客室数は159室。小樽市内で最大クラスの規模となる大型ホテルで、国内外から増加する観光客の需要に応える。
眼下に小樽運河が見える客室
「FUN to STAY」が基本コンセプト。ホテルの外観を明治・大正期の石造りの建物が残る街並みや歴史・文化への調和を考えた造りとし、内装にも軟石や木材を多用。客室も明るいナチュラルカラーで統一し、広がりを確保した。
ホテル前の運河地区には、美術館やカフェ、レストラン、ショップなどが集まっている。それらの探訪も楽しみながら、ゆっくり滞在して町の文化に浸ってもらう。
2~5階が客室で、スーぺリアダブル(24平方メートル)やコーナースイート(54平方メートル)からツイン(19~21平方メートル)など7タイプ。
海側の客室からは、窓一杯に石狩湾が広がり、眼下には小樽運河が見える。
最上階の6階は、正八角形のとんがり屋根のルーフトップBARと、海を一望する露天風呂付きの大浴場で、サウナもある。
1階にはロビーとレストラン。レストランでは、北海道産の新鮮な魚介類を生かした朝食やランチを提供し、2階にはフィットネスジムを設置。
宿泊料金は1泊1室1人素泊まり1万6千円(税別)から4万500円(同)で、季節により変動する。
石本敬伍支配人は、開業1カ月を振り返り、「小樽観光が好調で利用も順調だ。国内客が85%ほどを占めているが、海外客の宿泊も増えつつある」と話し、これからの秋を迎え「小樽地域は、紅葉や味覚など魅力満載の地域。ぜひ、小樽に滞在し、小樽や周辺地域の秋を楽しんでもらいたい」と呼び掛けている。
ベルーナが北海道で展開する宿泊施設は8カ所目。
安野社長に聞く 道内観光事業の方針
ベルーナの安野清社長が9日、取引先との交流会で札幌市を訪問。その際に北海道における事業展開について聞いた。
――近年、観光事業に力を入れているが。
「1968年の創業後、衣料品販売だけでなく金融サービスや不動産事業などに事業を広げてきた」
「2006年から宿泊事業にも取り組み、現在、国内外で29施設を運営。グループ売上高の約15%を占める主力事業に成長し、力を入れている」
――北海道での取り組みは。
「3月に『札幌ホテル・バイ・グランベル』を、7月に『小樽グランベルホテル』を開業し、道内で8施設を展開している」
「政府では、6千万人のインバウンド受け入れを目指しており、北海道は海外からの航空路線が少ないが、今後、路線が拡大し、宿泊施設の需要もますます増えると考えている。それらの需要に応えた、上質な宿泊施設の提供を進めていきたい」
――北海道の魅力と今後の計画は。
「何といっても北海道は、食と自然、雄大な景色が最高の魅力だ。これを国内外からの観光客に満喫してもらいたいし、絶対のアピールポイントだ。町の魅力アップにつながる新しいスタイルのホテル展開が基本であり、都市型、リゾート型を問わず考えていきたい」
「現在、洞爺湖で運営している自社ホテルの敷地内に新しい宿泊施設の設置を検討中。他地域での展開についても積極的に考えている」
安野社長