
2回にわたり、「アルムナイ採用」―退職者との関係を保ち、事情が許せば呼び戻して戦力とする方法について考えた。今回はそこから改めて視野を広げ、地域や社会に眠っている人材の掘り起こしに目を向けたい。
(19)定年退職者の受け入れ
一流企業やキャリア公務員の定年退職者の採用については、すでに実績のあるところも多いかもしれない。単なる高齢労働力ではなく、「その人の能力」を取り込んで生かす雇用だ。長年の職務経験で得た知識や人脈を持っているので、経営管理や運営、営業活動といった分野で活躍してもらえる期待が持てる。職歴によっては、経理、労務管理、行政手続き、社員教育などにおいて即戦力となるだろう。
彼らの中には、仕事そのものよりもむしろ、「役立ちたい」「社会とのつながりを持ちたい」という動機を持っている人も多い。だから能力と仕事のマッチングがうまくいけば、双方にとって良い関係が築ける。
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