【交通トレンド分析303】今年3月から「のぞみ」自由席2両になってからの変化は 鳥海高太朗


鳥海氏

 今年3月15日のダイヤ改正によって、東海道・山陽新幹線「のぞみ」の3号車が通年を通して自由席から指定席に変更されたことで、GW、夏休み、年末年始などの全車指定席で運行する期間を除いては自由席は2両になった。指定席が1両増えたことで、指定席が確保しやすくなったが、今年は大阪・関西万博の開催、インバウンド(訪日外国人観光客)が堅調に推移していることもあり、満席になっている「のぞみ」が週末を中心に相次いでいる。

 自由席が2両になったことで、私自身の利用方法も変化している。繁忙期でなければ、これまでは東京駅で始発に乗車する場合は、名古屋や京都、大阪まで自由席を利用する機会も多かったが、2両になったことで混雑がより激しくなり、隣が空席になるケースが以前よりも少なくなったと感じているほか、車内アナウンスでも軒並み、空席に荷物を置かないように促すアナウンスも増えている。

 そういったこともあり、私も最近は東京駅から乗車する際も「のぞみ」利用時は指定席を取ることが増えた。指定席を利用する際には7号車の「S Work車両」を指定することで(通常の指定席料金で利用可能)、もし電話がかかってきてもそのまま席で通話ができるので重宝しており(席でのオンライン会議も可能)、「S Work車両」の利用機会が増えた。

 一方で頻度は低いが、東京―新横浜、京都―新大阪などで「のぞみ」に乗車する場合で明らかに自由席が座れない場合などは、普通車指定席のデッキに立つことも増えた。

 20分前後の乗車時間なので特段問題はないが、隣接区間については自由席料金が割安に設定されており、指定席料金との差額が大きく、指定席を買うのは現実的ではない点もあるが、特に困ったのが繁忙期の「のぞみ」全車指定席の時で、短区間乗車の際には、先発列車に基本的に乗車したいところだが、自由席がある「ひかり」「こだま」を待っていると30分近く待つこともあり、立席しか選択肢がなく、そのまま乗車することもある。

 そんな時も含めて個人的な意見であるが、「EX予約」限定でもよいので、自由席料金+300~500円程度で利用できる隣接区間の割安な指定席料金が設定されると繁忙期の短区間乗車の際に便利だと思う。

 「ひかり」は5両、「こだま」は自由席が8両以上は設定されており、基本的には始発駅でほとんど座れる。私自身も「ひかり」「こだま」では、引き続き自由席を利用することも多く、状況に応じて指定席と自由席の使い分けが可能だ。

(航空・旅行アナリスト、帝京大学非常勤講師)

 
 
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