
リニューアルで新設した本館の和洋室
黒川温泉(熊本県南小国町)に16室の宿を構える旅館わかば。「ここに宿泊しないと体験できない滞在となるよう、お客さまに向き合っていきたい。また来たいとリピーターになっていただけるのが理想」。代表取締役の志賀希氏はそう語る。
もともとはすし屋で、先代が37年前に旅館を創業した。人気温泉地、黒川温泉にある30の宿の中では、比較的新しい宿だが、サービス、客室、料理、温泉と高い評価を得ている人気旅館だ。
湯は源泉掛け流し。弱酸性でメタケイ酸を多く含む肌に優しい泉質。男女それぞれに緑に囲まれた露天風呂を持ち、貸し切り風呂も2カ所ある。
夕食は、熊本名産の馬刺しや地場牛の陶板焼きなど地元の山の幸にこだわった会席料理。地場野菜を中心にした和朝食も自慢だ。
客室は和室、和洋室、洋室など、本館に9室、別館に3室のほか、離れに源泉掛け流しの内風呂が付いた4室がある。本館と離れの一部が部屋食、別館などの客室は食事処を利用する。
2023年から?年にかけて、一部の客室、大広間、食事処を改装した。
本館の7室をリニューアルし、部屋食に最適なダイニングルームを設置した。ダイニングルームには、配膳を担当するスタッフ用の出入り口を設け、プライベートな空間を保ったまま部屋で食事が楽しめる。
大広間は囲炉裏(いろり)のある食事処に、食事処はラウンジに生まれ変わった。
施設の大規模リニューアルを終えたばかりだが、宿のこだわりは接客だと志賀氏は言う。「効率、生産性、DX、AIという時代に、人がサービスする場面が減っていくのが宿泊施設の潮流なのかもしれないが、決して短くない時間をお過ごしいただくのだから、お客さま一人一人に合わせた接客を心掛けていきたい」。
【料金の目安は1泊2食2万2千円(税込み)から】
リニューアルで新設した本館の和洋室