
JTBは12日、「ビジネスイベント意識調査(2025年度版)」の結果を発表した。調査では社内外のステークホルダー向けイベントに関する企業の開催意向や参加者の意識変化を分析。サステナビリティ対応への意識の高まりや、対面コミュニケーションの価値が改めて評価されていることが明らかになった。
リアル・オンライン共にイベント開催頻度が増加
2025年度のイベント開催頻度については、消費者向け、取引先向け、コミュニケーション向けなど複数分野で、リアルとオンライン両方の開催頻度が増加したと回答した担当者が40%以上に達した。一方、オンラインのみの開催頻度増加は10%前後にとどまり、リアル開催を重視する傾向が鮮明になっている。
外部企画・運営コンサルティングの活用が一般化
イベント企画・運営の外部コンサルティング利用率は50%以上に達した。「全てのイベントでコンサルティングを利用」が11.5%、「いくつかのイベントでコンサルティングを利用」が41.5%となり、アウトソースが一般的になりつつある。
コンサルティングへの期待としては「効果的な施策の提案」が最多で、「イベントWebサイトの作成・管理・運営」「効果測定」が続く。前回調査と同様の傾向で、効果的なイベント運営とその効果測定に対するニーズが維持されている。
サステナビリティ対応が当たり前に
イベント主催にあたってサステナビリティ対応を検討している企業は77.1%に達し、前回調査から5ポイント以上増加した。「検討したことがあり、実践している」が44.8%、「検討したことはあるが、実践までできていない」が32.3%だった。
特筆すべきは、サステナビリティ対応による費用増加について、回答者の94.8%が予算増加を許容すると回答した点。前回調査から15ポイント以上増加している。ただし許容範囲としては約6割が「元の予算より29%まで」の増加としており、大幅な費用増加までは認められていない。
参加価値は「得られないコミュニケーション」
イベント参加目的としては「通常では得られないコミュニケーション」が最多となり、「価値観の共有」「他の手段よりも知らない情報に触れることができる」と続く。一方向的な情報共有ではなく、双方向的な交流が重視されている。
不参加事由としては「後日の動画視聴・資料配布で問題ない」「内容が魅力的でない」「参加メリットが分からない」が上位を占めた。特に「後日の動画視聴・資料配布で問題ない」は前回調査から大きく増加しており、時間効率を重視する傾向が強まっている。イベント主催者は魅力的な内容に加え、その場にいなければ得られないメリットを明確に訴求する必要性が高まっている。
調査は2025年7月に実施し、20~69歳の日本在住者で企業規模が従業員数500名以上または売上100億円以上の企業に勤務し、ビジネスイベントに関与した経験のある担当者400名を対象としている。