
川口政樹氏
観光経済新聞社は4日、観光業界の識者を招いてのオンラインセミナー「観光経済新聞チャンネル」の第43回配信を行った。株式会社デイアライブのプランナー、川口政樹氏を招き、「日本一コスパの高い観光PRの極意~KPIの落とし穴と、成果を出す観光DXの進め方~」をテーマに講演した。
川口氏は三重県庁に28年間勤務し、観光行政を9年間担当した。同県観光連盟に出向した際、公式サイト「観光三重」の閲覧者数とSNSフォロワー数で全国1位を達成した実績をもとに講演を展開。予算8600万円、職員7人という限られたリソースで、DMOのプレゼンス向上を目指し、サイトとSNSに注力したことを紹介した。
現職では、この経験を生かし、全国各地の自治体やさまざまな機関のデジタルマーケティングを支援している。
同氏によれば、(1)PDCAサイクルの修正版「D―CAP」に基づき、まずやってみること(2)データを活用してコンテンツマーケティングとSEO対策を徹底すること(3)地域や観光客など、さまざまなプレイヤーを巻き込んで「みんなに協力してもらう」環境をつくり、地域観光情報プラットフォームを構築すること―の3要素が成功につながったという。
最後に「KPIの落とし穴」として注意を喚起した。「PV数などの数値目標の達成がゴールになってしまい、本来の目的を見失う危険がある」ため、地域の身の丈に合った、適切なKPI設定と本質的な成果創出の視点が不可欠だと締めくくった。
川口政樹氏